ファイナンス

歴史に名を遺した偉人たちの名言から勇気を得、考え方を学ぼう!

2021.04.20

壁にぶつかったときに読めば道が開ける「書籍:賢者のことば」

うまくいかない時、「実際に壁にぶつかってそれを乗り越えた偉人たちの言動に勇気づけられた」という人も多いようです。そこで今回は、灘中学校・高等学校の校長「和田孫博」氏が監修を務める「賢者のことば」という書籍の中から、偉人の「名言」を3つ紹介しましょう。

■医学的にも研究が進む「笑い」効果に300年以上前に気づいた賢者

経営や私生活がうまくいかない時、何日も嫌なことを引きずってしまったり、意識せずスタッフや家族にイライラをぶつけて悪循環に陥ってしまったりしたことはないでしょうか?
1632年にオランダで生まれた哲学者「ベネディクトゥス・スピノザ」は、下記のような言葉を残しています。
「感情は、それと反対の、しかもその感情のもっと強力な感情によらなければおさえることも除去することもできない」
スピノザは、ネガティブな気持ちを抑えようとすることは難しいため、反対のポジティブな感情で打ち消す必要があることを数学的思考で主張したのです。
スピノザの残したこの名言は、笑うことによって「緊張・不安」や「怒り・敵意」、「疲労」の改善が認められた近年の研究結果とも結び付いていると言えます。
医学的に「笑い」を検証する共同研究をおこなっているのは、下記の3企業が有名です。

・芸人を多数輩出していることでも有名な吉本興業株式会社(大阪府大阪市)
・体温計や体重計などヘルスケア商品を数多く展開するオムロン株式会社(京都府京都市)
・大手の電気通信業者である西日本電信電話株式会社(大阪府大阪市、以下NTT西日本)

笑うためには、スピノザの言葉どおりポジティブな感情になることが大切であり、そのためには、楽しい気持ちになれることを探す必要があります。楽しい気持ちになればポジティブな感情がわき、自然と笑みもこぼれるでしょう。つまり、落ち込んで気分が上がらないときこそ、「笑えるような楽しいことを探し、ネガティブな感情をやわらげて悪循環に陥らないようにすること」が大切と言えるのです。

■その人や物は本当に信用できるのか

職場やプライベートでトラブルが起き、早急に対応するものの、うまくいかなくて気分が滅入ってしまうということはないでしょうか。1859年にチェコで生まれた、哲学者であり数学者でもあった「エドムント・フッサール」は、下記のような言葉を残しています。
「事象そのものへ!」
これは、とても簡単に言うと「本質を見極めるためには、先入観にとらわれずに物事を根本から捉え直すことが大切である」という、フッサールが確立した「現象学」の考え方です。
この考え方は、先入観にとらわれず自分で確かめようというものですが、応用することで経営にも活かすことができます。たとえば、「長年勤めているスタッフのAさんは、昨年入ったBさんより仕事ができる」と思ったり、「〇〇メーカーの製品は信頼できる」と太鼓判を押したりしてはいないでしょうか。そのような先入観があると、AさんとBさんとの間でトラブルが起きた時に、無意識のうちにBさんを悪者にしてしまったり、患者様からの問題点の指摘をスルーしてしまったりと、本質を見落としてしまう原因となる恐れもあります。長年勤めているスタッフの方に非がある可能性もあるでしょうし、クレーマーのように感じていた患者様が的確な意見を言っていることも十分に考えられます。何かトラブルがあったときにはフッサールの言葉を思い出し、先入観にとらわれずに本当の問題点を見極めることが大切なのです。

■価値のあるものや重要な役割を担うものを見落してはいないか

1913年にアルジェリアで生まれた小説家であり劇作家、哲学者でもある「アルベール・カミュ」は、下記のような言葉を残しています。
「貧困は僕にとって必ずしも憎むべきものではなかった。なぜなら、太陽と海は決して金では買えなかったから」
お金では買えない価値のあるものは、実は身近にあり、そのようなものこそが重要な役割を担っていることが多いという意味です。資産や地位を手に入れたことで、本当に価値のあるものや重要な役割を担うものの存在を見落してしまうことも少なくありません。向上心を高めることも大切ですが、うまくいかないと感じたときには立ち止まってみることも大切です。目を凝らしてまわりを見ることで、いままで当たり前だと思っていた環境や状況への新しい気づきや発見があるはすです。結果、進むべき道がいくつも見えてくるというケースも少なくないでしょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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