ファイナンス

幸福な人生を送るための52の思考法とは!?

2020.05.05

Think Clearly~最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法~

スイスの作家兼実業家であるロルフ・ドベリ氏は、同国の航空会社の子会社でCFOやCEOを歴任後、ビジネス書のサマリーを作成する世界最大規模のオンラインライブラリー「getAbstract」を設立した人物です。35歳から書籍の執筆を開始し、本書は世界29カ国で翻訳されるベストセラーになっています。
今回は、混とんとした世界を切り抜け幸せな人生を送るべく、世界的な投資家の投資哲学や、心理学、行動経済学などの最新のアカデミー研究を基にした52の思考法のうちから厳選したものをご紹介します。

物事を柔軟に修正する

ドベリ氏が提示するより良い人生を送るための思考法においては、物事を柔軟に修正することの大切さを訴えています。飛行機が予定されたルート通りに飛行する確率はゼロ%であったり、用意周到に練られた軍事戦略も実際の状況に応じて頻繁に変更されたりします。その他にも米国やスイス、ドイツなどの憲法が何度も改正されている例を挙げ、教育や投資などにおいても、早い段階から修正を施す方が、完璧と思われる計画を策定してその後新たな動きを見せない人よりも得られるものが大きいと指摘しています。
複雑化する現代社会に生きている私たちは、物事が想定通りに進むことはないとの前提に立ち、企業戦略や資産運用のポートフォリオ(株式や債券などの資産の組み合わせ)、教育などの実際の場において、当初決めた計画に固執するのではなく、経済社会情勢を踏まえ臨機応変に修正していく必要があるのです。

不要なテクノロジーを保有しない

ドベリ氏は本当に必要とされるテクノロジー以外は所有をやめるべきだと考えています。
そこでは、走行距離(年間)を想定走行時間(年間)で割って求められる自動車の平均速度を例に挙げています。(※想定走行時間には、自動車の購入費用や保険料、維持費、ガソリン代、罰金などを捻出するために必要な労働時間と渋滞時間を加える形で計算されています)
その結果、米国のある自動車の場合、平均速度は僅か6キロだったとのことです。
この現象は反生産性と呼ばれるもので、時間とお金を節約できると期待されたテクノロジーが、実は節約分を上回るコストを支払わされているというものです。Eメールやパワーポイント、ゲーム機なども反生産性が起こりやすいため、ドベリ氏は、自分自身の生活に不必要なテクノロジーを利用しないことを推奨しています。

不幸せにする要因を排除する

ドベリ氏は幸福な人生を台無しにする要因を排除することが大切であると述べています。
数千年前から、名だたる哲学者や神学者、心理学者、脳科学者などが、人間にとって何が幸福につながるかを考え抜いてきましたが、いまだ幸福の要因は明確になっていないといいます。
一方で、幸せを失う要因は明確であり、具体的には慢性的ストレスや安定感のない結婚生活、孤立、常態的な他人との比較、睡眠不足、怒り、嫉妬などを挙げています。
つまり、これらの要因を排除するだけでも、よりよい人生になるのです。伝説的な投資家であるウォーレン・バフェット氏も、投資の意思決定を下す際、企業や経済のポジティブな側面に注目する前に、まずはネガティブな結果を避けることに注意を払っている模様です。また、バフェット氏は難問を解決するのではなく、難問を避けることに気を配っているとのことです。

能力の輪を築く

ドベリ氏は自分自身の能力の輪を的確に意識したうえで、キャリアを形成していくことの大切さを説いています。
能力の輪とは、他人より圧倒的に優れた能力や分野のことであり、バフェット氏が用いる表現法です。バフェット氏は、自身の能力の輪を認識し、その輪の中に留まることが大切であるとコメントしています。
作家であるドベリ氏は、たとえ魅力的なオファーを提示されたとしても、能力の輪から外れる伝記の執筆は行わないといいます。そして、能力の輪を築くためには、何千時間もの時間をかけて、その分野に執着する必要があると指摘しています。また、能力の輪の中に留まるか否かによって、プログラマーや弁護士、外科医、デザイナーなどの能力の差は千倍にも広がるとのことです。

心の引き算を実践する

ドベリ氏は、心理学者の間で心の引き算と呼ばれる思考法の実践を推奨し、心の引き算を具体的な例を交えて説明しています。
まず自分の人生を10段階(0が非常に不幸、10が十分に幸福)で評価します。その後、目を閉じて片腕を失ったと想像し、さらにもう片方の腕も失っただけでなく、視力まで無くなってしまった世界を想像した後に、今の自分の人生がどれほど幸せか再評価します。すると、ほとんどの人は当初よりも幸福感が増す結果になる模様です。また、その日の食にありつくこともままならない戦火の地に生まれた場合を想像するなど、心の引き算は応用を利かすことができると述べています。

まとめ

ドベリ氏が提唱するより良い人生を送るための思考法のうち、今回ご紹介したものはどれもすぐに自身に当てはめて思考を巡らし、至らないところは改善を図ることができる内容です。本稿をきっかけとして、Think Clearlyに散りばめられた至高の道具箱を活用されてみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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