MANAGEMENT

採用時の聞き取りと配慮で不平と不満は減らせます!

2019.03.18

「また子供?」の不満を軽減させる方法

「イクメン」という言葉も定着し、「育児のための時間短縮勤務」を利用する人や「育児休暇」を取得する人が一段と増えています。

しかし、接客改善業務で、全国のさまざまな店舗を1500以上回っていると、子供の急な発熱や病気での早退や欠勤に「また子供?」と、不満を募らせるスタッフが多いことに気づくのも事実です。

今回は、こういった不満からスタッフ同士の仲がギクシャクしたり、不穏になったりするのを防止するべく、採用時の聞き取り方法や採用後の配慮について具体的に解説いたします。

-面接時の雑談を大切にする-

家族構成や出産予定、結婚しているかどうかなど、面接で聞いてはいけないことが増え、採用する側としては難しいご時世になっています。

面接者が自ら子供がいることを話してくれるといいですが、面接担当が聞かなければ何も言わずに帰ってしまう人もいるのです。

雇う側としては、採用者に子供がいた場合には参観日や発熱などの心配もあるため、できるだけ細かい事情を知っておきたいというのが本音でしょう。

そこで、子供の有無や年齢、通園・通学状況などを知るために、面接時の雑談を大切にすることをおすすめします。

-【心理学活用】子供の有無を知る方法-

面接者の子ども事情について知りたい場合は、実際にお子さんのいるスタッフや経営者が面接をおこなうとよりスムーズです。

■方法①
面接者の持ち物などに目を光らせ、キャラクターもののストラップが目に入った場合は、「そのキャラクター、何ていう名前でしたっけ?子供が好きで…」と、話しかけてみます。

これは、心理学でいうところの「自己開示」で、自分のことを話すことで、相手に安心感や信頼感を与え、自分自身のことを話しやすくする方法です。

「私の子供もこのキャラクターが好きなんです」と答えてくれたなら、「お子様がいらっしゃるんですね」と、話の流れで年齢や通園・通学状況なども尋ねてみましょう。

■方法②
「まだ子供が小さいスタッフが多くて、勤務を交代してもらうことがあるかもしれませんが、可能ですか?」と、スタッフの事情を話して面接者の状況を聞き出す方法もあります。

こういった確認を取ることで、「私にも子供がいて…」など、面接者にとっても子供がいることを伝えやすくなります。

■方法③
学校などに近いクリニックや病院の場合は、チャイム(最近は鳴らない学校も多い)や校内放送が聞こえる時間に面接をおこなうというのもひとつの手段です。

「この時間帯になると、校内放送がよく聞こえるんですよ」などと雑談を持ちかけることで、子供の話が出やすいシチュエーションに持っていくことが可能になります。

-採用を考える面接者の回答-

子供の有無や年齢、通園・通学状況と併せて、面接者の仕事に対する考え方や周囲のフォローがどのくらいあるのかについても知っておきたいものですね。

子供絡みのトラブルが少ない企業や飲食店では、面接官は「お子さんがいると、発熱や病気なども大変ですよね?参観日なんかもありますし」と投げかけ、面接者の回答を待ち、
「そうなんです。熱があると仕事を休まなくちゃいけないし」という答えが返ってきた場合には、採用後のことを考え採用しないことが多いようです。

逆に、「子供がよく熱を出すので、病児・病後保育などに預けるか、それが難しいときには両親に預かってもらっています」といった回答の場合には採用するケースが多いようです。

発熱や病気のときの対処法がしっかりと示されている面接者の場合、仕事に対する責任感もしっかりとあり、トラブルも少ないことが特徴のようですね。

スタッフ不足などで困っているときには、猫の手も借りたくなりますが、面接者の考え方や万が一の対処法などを聞き取り、二の足を踏む場合には採用を見送ることも大切です。

-採用後の配慮とスタッフの不満防止策-

また、職場でも子供の急な発熱や体調不良などに配慮し、他のスタッフに勤務時間を延長してもらったり、交代を頼んだりするケースも多く見受けられます。

しかし、忙しいときに抜けられたり休まれたりすることで、他のスタッフに精神的・肉体的ストレスを与えてしまうことは免れません。

飲食店などの対応策として成果を挙げているのは、「小学校3年生ぐらいの子供を持つママ」2名以上と「未就学児の子供を持つママ」でシフトを組むというものです。

これは、つい最近まで手がかかっていたことや、発熱や感染症などで勤務を交代してもらった記憶などが新しいため、未就学児を持つママに対して寛容に対処できるケースが多いからです。

-対応機関や制度の周知-

すぐに「パワハラ」などと言われる時代、発熱時に対応してくれる医療機関や預かり制度などを子供のいるスタッフ自身に伝えることは難しいかもしれません。

クリニックや医院で配布している広報で紹介したり、休憩室や更衣室で閲覧したりできるよう、対応機関や制度を知らせるチラシなどを置いておきましょう。

もし、気さくにスタッフとコミュニケーションが取れるようなアットホームな雰囲気であれば、雑談や会話の中で自然に周知していくことをおすすめします。

-発熱や病気の対応機関-

■病児・病後保育
病気のときや病後の回復期に利用できる保育室で、クリニックや病院内にあることが多く、前日の申込みや当日に電話で受け付けてくれるなど施設によって対応が違います。

-学校が早い日の預かり機関・制度-

■子育て支援
自治体によって名称は違いますが、「ファミリーサポート」など、事前に登録や手続きをしておくことで、学校が早い日など子供を1人にしたくないときに預かってもらうことが可能です。
ただ預かってくれるだけでなく、学校へ迎えに行ってくれるサービスが含まれていることも多く、不審者から子どもたちを守ることもでき安心と言えます。

-まとめ-

採用したスタッフが活き活きと仕事に専念してくれる環境づくりには、日々注力されていることでしょう。

子供の発熱や病気で仕事を抜けたり、休んだりする回数があまりに多いと、周囲との間に亀裂が入ってしまうこともありえます。

今回紹介したような方法で、仕事に対する考え方や子供が病気になったときの対処法についてよく聞き取り、採用後にはシフト調整や子供に関する施設・制度を周知することをおすすめします。

【プロフィール】
●接客改善コンサルタント 山内良子
2008年頃から接客改善業務に携わり、関東圏や関西圏を中心に全国津々浦々を飛びまわる。
お客様への対応やスタッフのチームワークや業務に関するよい点・悪い点だけでなく、具体的な改善点や指導後からすぐにでも使える即効性のある提案を心がけている。接客改善に携わった店舗は、現在までで1500店舗以上。接客コンテストなどの審査員を務めることもある。
執筆者:接客改善コンサルタント 山内良子