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箱根駅伝4連覇を成し遂げた原監督が用いた4つの心理効果とは!?

2018.09.26

青山学院原監督に学ぶ経営論~選手の心理掌握術~

選手と指導者の関係が問題になっているスポーツ界ですが、その中で、異彩を放つのが青山学院大学の原監督の選手心理掌握術です。箱根駅伝4連覇という偉業を達成した原監督のユニークな指導法がいくつものテレビや新聞で報道されました。そこで、原監督の指導法とその強さの源泉について心理理論をベースに分析します。

選手を乗せる(チアリーダー効果)

「湘南の神になれ!」という原監督の激励の言葉に、ふらふらになっている選手が元気に走り出すという信じられない場面が映像で流れました。原監督はこのことを「乗せる」と称していますが、この選手は見事に原監督に乗せられてしまったのです。
しかし、激励の言葉にそのような力があるのでしょうか? 実は、アメリカンフットボールのチアリーダーについての実験があり、チアリーダーの応援がない場合には、選手たちの実力が十分に発揮されないことが証明されています(チアリーダー効果)。「乗せる」ことで、実力以上のような力を発揮できるというわけです。特に、指導者の激励の言葉にはパワーがあるのです。

青山学院大学の目標設定(スモール・ステップの原則)

青山学院大学では、選手自ら目標を設定します。これが練習を楽しむ原動力なっているのです。目標といっても、例えば5km走では記録を1分短縮することは困難であり、世界新記録というような過大な目標を設定すると、チャレンジをあきらめてしまうこともあります。しかし、記録を1分短縮することは困難でも、1秒短縮するのは難しくはありません。小さな目標を数多く設定して、自己新記録を次々に塗り替えていくことで成長を実感させる教育理論を「スモール・ステップの原則」といい、走ることに遣り甲斐を持たせることにつながります。

また、人間は、何かきっかけに、嬉しいことを経験すると、その快感を再度体験したくなり、きっかけになったことを繰り返すようになります。これを心理学では「条件づけ」や「動機付け」と呼んでいます。例えば、ゲームのドラゴンクエストやファイナルファンタジーをプレーする人は、レベルアップした時やボスキャラクターを倒した時には苦労が報われて快感を味わうことになり、この快感が忘れられずに、ゲームがやめられなくなるといった現象も、この心理理論で説明がつきます。この効果がスモール・ステップで得られるのです。

選手を縛らない、自由にさせる(心理的リアクタンス)

原監督は、選手を管理せず、目標管理は選手の自主性に任せています。人間は、自由を阻害されると反発する心理を持っています。これを心理学では「心理的リアクタンス」と呼んでいます。問題になっているスポーツの指導者のように、選手を押さえつけようとすると、この「心理的リアクタンス」が起動して反発するようになります。さらに、その反発を押さえ込むと無反応になってしまいます。選手を自由にさせることで、自主性を植え付け、自ら練習に励むようにしているのです。

選手を尊重し、信頼する(好意の返報性)

次の指導法は、選手の発言を尊重し選手を信頼することです。心理学者のマズローは「人間には、自我欲求があり、他者から認められたい・褒められたいという欲求がある」という旨の主張をしています。特に、指導者から褒められたいという欲求は大きいというのは、想像に難くないと思います。

人間は、何かの好意を受けると、好意を返すという心理が働きます。これが「好意の返報性」という心理効果です。逆に、選手を認め信頼すると、自分を尊重して信頼してくれたお礼に、頑張ろうと考える心理が働くのです。

まとめ

病院経営においては、特に人の命を預かるという点では、スタッフのレベルアップやモチベーションが重要になります。そのために、原監督の選手の心理掌握術を参考にされてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部