MANAGEMENT

お客様至上主義で成功する秘策とは?

2018.05.23

アール・ナイチンゲールに学ぶ、顧客満足の極意

アール・ナイチンゲール(1921生~1990没)は、アメリカでは「人間開発の神様」としてその名を知られる、経営者であり思想家です。彼は自身の製作したレコード『ストレンジスト・シークレット』にて、「人間は考えていることを必ず実現できる」という自己開発向けの力強いメッセージを発信しました。

彼のメッセージは瞬く間に全米で共感を得て、当時、音楽以外で売り上げが伸びなかったレコード業界で、異例の100万枚以上の売り上げを達成し、数々の賞を獲得するなど偉業を成し遂げました。なぜこれほどまでに彼の思想が受け入れられたのか、彼の実践してきた成功哲学とは一体何だったのか。今回は、彼の成功哲学の中でも重要なテーマである「顧客満足」についてご紹介します。

顧客を大切にすれば、必ず見返りがある

アール・ナイチンゲールは、「顧客に対して特別な関心を払わなければ、成功することはできない。だからこそ顧客に対する態度によって、成功するか否かが決まるということを、きちんと考えるべきである」という言葉を残しています。その理由となった彼のエピソードを、ひとつご紹介しましょう。

彼は自身が製作したレコードについて、自ら会社を設立し販売していました。ある日、1人の消費者から返金依頼を受けました。レコードに同封された手紙には、「商品を返すから金を返してほしい」と書いてあったそうです。

しかしそのレコードは、どう見ても擦り切れるほどまで聞いた、ボロボロの状態でした。通常、ここまで使い古された商品について返金依頼を受けた時、企業側としては必ずしも返金対応する必要はありません。しかし彼は、すぐに返金用の小切手を切り、新製品のパンフレットを添えて送り返したのです。するとその消費者からは、「さんざん使い古したものを送ったのに、嫌がらず返金してくれたのには驚いた」と返事が来たといいます。そしてその消費者は、新製品をいくつも購入してくれたそうです。

この経験から、「顧客を大切に扱えば、必ず見返りがある。礼儀正しく、要求を満たしてくれる人間に対してなら、顧客は金を使うことを惜しまない。そのため顧客に不快な思いをさせるなど、もってのほかである。」と気づいたと言います。

顧客に対する3つの心がけ

それでは顧客を大切に扱うため、具体的には何をすればよいのでしょうか。
アール・ナイチンゲールは3つの簡単な心がけを、自分自身はもちろん従業員にも徹底させました。

第一に、挨拶をすること。
第二に、その時々の状況を見て、必要な場合は話しかけるなどして退屈させないこと。
第三に、配慮に欠けているところがないか、常に気を配ること。

顧客が第一に望んでいるのは、挨拶をされることです。確かに現代でもその教訓は生きており、コンビニの店員さんや自動化されたATMでさえも「いらっしゃいませ」と挨拶をしますよね。逆に、挨拶がなければ無礼だと感じる場面もあるのではないでしょうか。

そのことに気づいたアール・ナイチンゲールは、挨拶こそが顧客に対する正しい姿勢であると発信し続けました。また顧客に色々と話しかけたり、顧客が気になるところがないか、自分にできることがないかと気を配ったりすることも、立派な顧客満足を生み出す動機になるとも伝えています。

自分たちにとって大切なお客様であることを顧客に伝えることで、顧客自身、自分が丁重に扱われているのが分かり、その企業やお店を快く思うようになるのだと言います。

お客様第一主義を徹底したアール・ナイチンゲール。最後に、アール・ナイチンゲールからのメッセージをお送りしましょう。

「サービスで魅了せよという言葉がある。これがビジネスで成功する秘訣なのである。人は奉仕しなくてはならない。人間の生きる目的は、人に役立つことにあるのだ。誰もが奉仕の見返りとして、利益を獲得しているのである。奉仕無くして利益無し、なのだ。この世で最も素晴らしいものとは、他人に奉仕する機会があることである。どれだけ人に奉仕できる機会を持てるかが、自己開発の成果と想像力によって決まるといえよう。そして奉仕の第一歩は、今あなたのいる場所から始めなくてはならない。」

どうしたらもっと人の役に立てるか、どれだけ相手に奉仕するかを考えることこそが、成功への近道であると説いたアール・ナイチンゲール。もし今、日々の診療に追われ、医院経営についてゆっくりと考える機会がなかった方がいらっしゃっても、焦る必要はありません。日々真摯に患者さんへ接することこそが、やがて大きな成果に結びつくと信じ、医院経営に取り組まれてはいかがでしょうか。

参考文献:人間は自分が考えているような人間になる
(アール・ナイチンゲール 著・田中孝顕 訳 /きこ書房・2014年)

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部