MANAGEMENT

どんな感情を求めているかを明確にすれば、すべてが変わる!~人生に最も求めているものをマネジメントするということ~

2018.08.22

ジェームス・スキナーに学ぶ時間管理術

何かを成し遂げる際にリソース(資源)は必要不可欠です。それは医院経営においても例外ではなく、ヒト、モノ、カネといったリソースをどう有効活用するかが、アウトプットに大きな差を生み出します。しかし、物質的なリソースと違って、時間はその本質を捉えにくく、リソースとしての重要性を看過してしまいがちです。「Time is Money.(時は金なり)」というベンジャミン・フランクリン氏の箴言は、そのような背景から生まれたのでしょう。
今回は、診療という本業に忙殺され、医院経営にまでなかなか手が回らない、あるいはプライベートの時間を取れないという多くのドクターな抱えるお悩みを解決する一助となる、ジェームス・スキナー氏の時間管理術をご紹介します。

ジェームス・スキナーとは?

ジェームス・スキナー氏は1回の指導だけでも劇的な変化をもたらしてくれる凄腕の成功コーチで、日本のTV番組へも数多く出演している米国出身の経営コンサルタント、セミナー講師でもあります。

著述の分野では、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』を日本に紹介し、ベストセラーになりました。2004年には成功の本質を見事に解説した『成功の9ステップ』を上梓。その著書の中で、時間管理について卓見を述べています。

時間管理の限界

まず、時間管理と聞いて、何を連想するでしょうか。またはそれをどのように行っているでしょうか。

大多数の人は「人生は出来事から成り立っている」という考えに基づき、手帳やカレンダーなどを活用して、出来事単位でスケジューリングを行っています。これは、人生の大切な出来事や目標を確実に達成するうえでも、あるいは仕事やプライベートの重要なタスクを忘れることなく実行するうえでも、効果的で優れた方法といえるでしょう。

しかし、「出来事をコントロールしようとする考え方の問題点は、コントロールできない出来事も必ずあるということだ」と彼は指摘します。次から次へとやらなければならないことが際限なく増えていき、1日24時間では手に負えなくなる。つまり時間管理は時間という物理的な制約によって挫折する構造的な問題を孕んでいるのです。

それに対して「本当にコントロールできるのは自分自身だけである」と彼は明解に論じています。つまり、出来事が起きたときの自分の状態、出来事に対する自分の解釈、出来事に対する自分の反応がコントロール可能だということです。「この観点からすれば、時間管理は感情の管理であり、エモーショナル・マネジメントと言うべきだろう」と彼は結論付けています。

エモーショナル・マネジメントとは?

楽しい時間はあっという間に過ぎ去るのに、退屈なときは時間が遅々として進まないという経験は誰しもしたことがあるでしょう。アインシュタインの相対性理論によれば、時間は場所により流れる速さが違うといいますが、前述の経験に照らしても時計やカレンダーは私たちが経験する時間の流れとはあまり関係がないようです。「時間はただの感情に過ぎない。私たちが経験している時間のすべてが、感情として脳の中に記録されている。そして、時間は感情であるから、それを今まで想像もしなかった方法でコントロールすることができる」と彼は述べています。

高いパフォーマンスを発揮する人は、同じ時間やスケジュールのなかで、多くのことを成し遂げるために時間(自分の感情)を変化させています。プロ野球選手がわずか20mほどしか離れていないところから投げられた時速160キロのボールを打てるのは、ボールをスピードダウンさせる方法を身に付けているからなのでしょう。「結局のところ、速いか遅いかは、感情の判断である」と、彼は分析しています。

人生に求めているものは感情

エモーショナル・マネジメントを行っている場合と、そうでない場合ではどのような違いが生まれるのでしょうか。週末に家族旅行を計画している二人の男性を例に挙げて彼は以下のように説明しています。

二人とも良き父、良き夫になろうとしていて、手帳の中には「土曜の朝、午前7時、家族旅行」と時間管理をしっかりと実践しています。同じ役割、同じ目標、同じスケジュールです。ただひとつの違いは、一人は旅行から求めている感情を明確にしている点です。家族との深い愛、リラクゼーション、楽しみ、愉快、平和から得られる安心感、冒険から得られるワクワク感。それに対し、もう一人はそのような考えはひとかけらも持っていません。

出発の朝になって、子供たちが起きてこないことに対し、前者の男性は「ちょっと疲れているのかい? 頑張ろうね!」と温和で、友好的な態度で接します。この男性はすでに自分が求めている感情を得始めています。家族旅行はすでに成功しているのです。一方で後者の男性は起きてこない子供たちに「お前たち、何をしているのだ!? 旅行の日くらいは時間通りに起きられないのか!?」と批判的で、攻撃的な態度で接します。家族旅行が終わったあと、二人の役割も、目標も、スケジュールも、実行項目もまったく同じですが、二人の人生はまったく違ったものになっています。これは求めている感情について、明確なビジョンを持っているか否かの違いです。

「私たちが人生に求めているものはすべて感情である。どんな感情を求めているかを明確にすれば、すべてが変わる」。これが彼のスケジューリングの根本思想であり、「Time is emotion.(時は感情なり)」なのです。人生で最も強く求めているものを明らかにして、そこから逆算してスケジューリングをする。人生で最も大切なリソースである時間をマスターすることは成功の本質であり、そのとき人生はコペルニクス的転回を遂げると考えられます。

まとめ

人生の岐路に立ち、進むべき道がわからない。やるべきタスクやプロジェクトが多すぎて、取捨選択の方法がわからない。家族やスタッフとのコミュニケーションがうまくいかない。そんなときには是非、ジェームス・スキナーの時間管理の思想を参考にしてみてください。目の前に明るい一筋の光明が差すでしょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部