多様な文化と大自然を丸ごと満喫できるオーストラリア
2019.03.24
オーストラリアを大解剖!8つの地域とその特徴とは!?
医師や歯科医師の間でも、ハーフステイや移住先として注目されているオーストラリアは、6つの州と2つの準州からなる連邦政府で、コモンウェルスのメンバーとしても知られています。
今回は、オーストラリア各地域の情報をお届けします。ご希望されるリタイアメントビジョンを実現させるにはどこが良さそうかといったヒントとしてぜひお役立てください。
オーストラリアン・キャピタル・テリトリー(省略形表記 ACT)
連邦首都のキャンベラが所在する連邦政府直轄地です。世界中から公募した都市計画案の中からアメリカのW.B.グリフィンの設計案が採択され、1913年にキャンベラの建設は始まりました。国会議事堂をはじめとする連邦政府機関や、国立の美術館、博物館が数多く存在します。もともとシドニーとメルボルンによる首都争いを回避する目的で場所が選定されており、シドニーの南西300キロ、メルボルンの北東465キロに位置しています。地勢的には高地で、年間の気温は−10 度から 42 °度まで幅があり、四季がはっきりしているのが特徴です。
ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)
NSWの州都はシドニーです。シドニーは、オペラハウスで有名な、天然の美しい入江を持つポート・ジャクソンに位置しています。世界でも屈指の美港として知られ、ワールドクラスのお食事を堪能することも可能。郊外のハンターバレーでワインを楽しんだり、ブルーマウンテンズで絶景を、バイロン・ベイでサーフィンを楽しんだりするのもよいでしょう。
NSWは最も人口が密集している州ですが、もともとは第1番目の流刑植民地がポート・ジャクソンに建設されたことに始まります。シドニー中心部より少し南に下がるとボタニーベイがあり、シドニー空港近くのボタニーベイを拠点としていたアボリジニのペムルウィ(Pemulwuy)は、1792年から1802年まで、近代的な装備を持つイギリス人に対して抗争を続けた勇者として知られています。その当時、シドニー湾からその西のブルーマウンテンズまでアボリジニの人口が密集していたことが政府によって公式に記録されています。
ノーザン・テリトリー(NT)
オーストラリアの北端にあるのがNTです。州都はダーウィンで、ギリシア系の移民が多いことで知られています。
NT南部、内陸部にはウルルやカタチュータへの観光の拠点で有名なアリススプリングがあります。このウルルは文字通り、オーストラリアの中心に位置しています。
クロコダイル・ダンディの収録で知られるカカドゥも見どころです。クロコダイル・ダンディの興行が成功し、ポール・ホーガンがもたらしたオーストラリアの観光事業への経済効果は計り知れませんが、後年脱税で訴えられてしまいました。現在でも、クロコダイル・ダンディの名前にあやかったツアーを見つけることができます。ダーウィンからSAの州都アデレードまで車窓の旅を選ぶことも可能です。
クィーンズランド(QLD)
面積でいえば、オーストラリアで2番目に大きな州で、州都はブリスベンです。グレートバリアリーフやフレーザー島で知られるQLDには、太古の昔からの原型をとどめる広大な熱帯雨林で有名なキュランダもあり、大自然を満喫できます。ケアンズはグレートバリアリーフやキュランダへの拠点として知られています。
QLD北端、ヨーク岬とパプアニューギニアの間にはトレス海峡があり、行政的にはQLDの一部ですがその島々にはメラネシア系の住民が住んでいます。1992年、このトレス海峡の島の先住民エディ・マボさんの訴えが最高裁で認められ(マボ判決)、先住民の先住権の確認や補償認定が一気に進んだという経緯があります。
サウス・オーストラリア(SA)
州都アデレードは、メルボルンやシドニーの喧騒とは違って、落ち着いた美しい古い街並みが広がっています。1981年から2008年まで『フェスティバル・ステイト』をスローガンに州を挙げてイベントの開催に力を入れていました。今やフェスティバルはSAのアイデンティティーとして浸透し、様々なアートやフード、ワインといったフェスティバルが通年行われています。
ワイン好きな方はマクラーレン・ヴェールの赤ワインをぜひ召し上がってください。フリンダーズレンジはアデレードからのアクセスも良く、手軽にアウトバック気分を堪能できます。カンガルー島も観光地としてオススメです。
またポート・リンカーンでは日本向けのマグロの養殖が盛んです。
タスマニア(TAS)
オーストラリアの最も南端に位置するハート型の島で、本土とはバス海峡で隔てられています。州都ホバートは、シドニーについで2番目に古い流刑植民地としてスタートしました。世界遺産に認定されている原生林地域は、面積の5分の1を占めており、世界で最も山の多い島です。その大自然のイメージを生かした、こだわりあふれるタスマニア•ブランドの食材、クラフト、ファッション、アートは必見です。
四季がはっきりしていて、比較的温暖です。一年を通じての雲量は平均して70%ですので、晴れが多いといえるでしょう。
ヴィクトリア(VIC)
州都はメルボルンで、シドニーに次いで2番目に人口が多い都市です。メルボルンは1日で四季を体験できるといわれ(four seasons in one day)寒暖の差が激しいことで知られています。学園都市として世界的に有名なメルボルンは、留学生の数が非常に多く、様々な国籍の若者であふれています(メルボルンで学ぶ277000 人の学生のうち、91000 人は留学生です)。テニスの全豪オープンが行われ、国民的人気を誇るオールトラリアン・ルールズ・フットボールの発祥の地で知られることからスポーツ熱が高く、またカフェ文化が非常に発達しています。ワイン好きな方にはヤラ・バレーを、サーファーの方には、ベルズ・ビーチがお勧めです。
ウェスタン・オーストラリア(WA)
最も広大な面積を誇るWAの州都はパースです。インド洋に面したパースはその美しい夕日で、また南アフリカからの移民が多いことでも知られています。東は砂漠地帯、西はインド洋に面した海岸線とコントラストを楽しめる州です。主要なWAの産業といえば、鉱山産業ですが、その一方で、世界で最も多くの種類のワイルドフラワーに出会える場所でもあります。また神秘的なピンク色で知られるレイク・ヒラーは州の南端ミドル・アイランドに、州の北端にはホリゾンタル・フォールで知られるキンバリー地方があり、美しいビーチリゾートで知られるブルームもキンバリー地方に含まれます。
まとめ
オーストラリアの州という概念ですが、日本の都道府県などとは違い、州ごとに独自の法律を作り経営を行なっています。具体的には、不動産の売買や、雇用、車の免許や運転に関する法律などが州によって異なります。
一方、ビザに関する法律は連邦レベルで管理されており、その取得費用やビザの種類についての見直しは頻繁に起きていますので、最新の情報収集が必要です。ビザの監督官庁の名前は2017年より『The Department of Home Affairs』に変わりましたが、以前の『Department of Immigration and Border Protection』は2013年から4年ほど使われただけでした。
2005年から2018年まで続いた『Investor Retirement visa』は完全に廃止され、新たなビザが生まれています。
めまぐるしい変化があるにも関わらず、移住や長期滞在を希望する人が後をたたないのもオーストラリアの特徴で、それだけの魅力にあふれている国だと言えるでしょう。