ファイナンス

大切なのに忘れがちな経営論を再認識できる不屈のバイブル

2021.03.20

経営ノウハウが凝縮された児童書「マネーという名の犬」

12歳の子供から読める児童書でありながら、経営者として忘れてはならない大切なノウハウが凝縮された本があります。世界23か国で翻訳・刊行され、累計400万部を突破。日本版では「マネーという名の犬」という書籍タイトルで、村上ファンドの創設者「村上世彰」氏が監修を務めています。
今回は、「児童書なんて…」とページを開いた大人たちが目からウロコし、ミリオンセラーを記録した本の内容とともに、その魅力について紐解いていきましょう。

■ストーリーは単純

「マネーという名の犬」は、12歳の少女「キーラ」が人間の言葉を話す犬「マネー」と出会い、「お金と人生において大切なこと」を学び、そして成長していくストーリーです。

■目標を見えるカタチに

経営が順調な時もそうではない時も、どのような状況にあっても、目標や望みを持っている人のほうが多いのではないでしょうか?
書籍のなかでマネーは、「目標やほしいものが何なのか正確にはわかっていない人が多い」と言い、本当に望んでいることを書き出してみるよう提案します。「いまの状況では無理」といった理由は含まず、「望んでいること」を書き出し、その目標や望みを写真やイラストにして達成の瞬間を何度も思い描くことが大切なのです。そうすることで、目標や望みを叶えようとするモチベーションがアップし、実現するための可能性を探るようになるとマネーは教えます。これは、実際にプレーをすることなく頭の中でイメージを思い描いておこなう「イメージトレーニング」のようなものと言えるでしょう。

■問題を解決するために大切なこと

目標や望みは、いつも簡単に叶えられることばかりではありません。
また、何か予想外の問題が起きることもあるでしょう。
問題を解決するためには、普段から「自分が何を知っていて何ができるか、そして、自分に何が備わっているか」を考えることだとマネーは言います。

1. 自分の知識を振り返ること
2. 自分はどういうことができるのかを把握しておくこと
3. 身に付いている技術や環境、金銭面も含めて自身に備わっているものを把握おくこと

たとえば、「マネーという名の犬」の主人公「キーラ」は、「お金が欲しいけれど、どのように稼いでいいかわからない」という問題にぶち当たります。そして、いとこの提案もあり、下記のように具体的にあてはめて問題を解決しました。

1. 近所の犬をほとんど知っている
2. 犬が大好きで、上手に過ごしたり散歩させたりすることができる
3. マネーの散歩に毎日行っている

近所で犬を飼っている人を思い出し、軽い脳卒中を起こした夫の代わりに散歩をさせている奥さんが楽しそうではなかったことに気づき、散歩の代行を申し出るのです。軽い脳卒中の夫と奥さんは喜び、キーラは、散歩代行でお金をもらえるようになります。

■1つの仕事だけをアテにしてはいけない

たくさんの収入が入ってくる仕事があれば、「その仕事だけに集中したい」「ひとつ大口があればいい」という気持ちになってしまうこともあるのではないでしょうか?
しかし、1つの仕事だけをアテにすると、その仕事がダメになったときのダメージも大きいものです。
例えば、開業医の皆様に多いのが、万が一仕事を休まなければならなくなった時、完全に収入が途絶えてしまうケースです。院長先生一人の労働に完全に依存するのではなく、万が一医院からの勤労収入が途絶えた場合でも、他で補える仕組みを構築しておくことが大切なのです。

■幸運は「準備と努力の結果」

何かがうまくいかないと、ついつい「ほかの人たちは運がいいから」「自分は運が悪いから」と考えてしまいがちです。しかし、準備をすれば成功率が上がるでしょうし、努力をすればいま以上の力を発揮できる可能性も上がるでしょう。
このように、「マネーという名の犬」を読み終わる頃には、準備と努力をすればするほど、幸運を引き寄せられると気づくことができます。また、幸運から遠ざかるのも自分であり、幸運を引き寄せるのも自分であるということに気づくのではないでしょうか。

■「マネーという名の犬」の魅力

堅苦しく複雑な内容の書籍は、読むのに時間もかかりますし、理解が難しいことも少なくありません。その反面、「マネーという名の犬」は児童書であるからこそシンプルで理解しやすい内容であり、寝転ぶなどのリラックス状態や隙間時間にも気軽に読むことができます。また、忘れがちになっていることに気づかせてくれる内容が多いことも、大人や経営者をハッとさせる大きな魅力となっているようです。
今回ご紹介した「マネーという名の犬」は児童書ですし、読書好きな人ならほんの1~2時間で読んでしまうようなページ数も少なめの本ですが、つい忘れてしまいそうになる初心の気持ちや経営ノウハウの基礎をピンポイントで振り返りができるこの本は、まさに不屈のバイブルと言えるでしょう。その気づきをぜひ皆様の医院経営に活かしてください。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
458件の開業医を成功に導いた成功事例集