預金・ローンだけではない銀行の各種サービスと活用法

身近な金融機関だからこそ気軽に相談できる

2019.05.21

銀行は預金としてお金を預けたり、資金が必要なときに貸出してくれたりする所だと思っていませんか。確かにこうした預金やローンは銀行が担う役割として重要な部分です。しかし、銀行が扱っている業務は預金やローンにとどまらず、多くの便利なサービスが提供されています。

今回は、銀行で扱っている各種サービスを紹介します。銀行は個人にとって一番身近な金融機関である場合が多いため、どのようなサービスが提供されているのか把握しておけば、いざというときに役立つはずです。

■銀行の基本機能

銀行の基本的な役割のひとつに、お金を預かり保管してくれる役割があります。数千万円～数億円の現金を持っている場合、それを自宅に置いたままにするのは現実的ではありません。銀行に預金としてお金を預けることにより、火災、盗難などのリスクを避けることができ、自宅に金庫を設置する費用や警備を強化する費用を省いて、安全にお金を保管できます。また、銀行は預かったお金を貸し出すことにより私たちに変わって運用してくれています。私たちはこの運用の見返りとして預金から利息を受取ることできているのです。

マイホーム購入や独立開業のときに、資金面でサポートしてくれるのも銀行の大事な役割です。銀行が貸出をしてくれることで、借りた側は利息を払う必要がありますが、私たちに代わって資金を調達してくれるという役割を担っています。

さらに、銀行は資金決済の機能も提供しています。銀行は、振込や小切手による決済、公共料金や税金の支払いなどの口座振替を行っています。この決済機能のおかげで、例えば、病院スタッフの給与などは、銀行を通して送金され、スタッフの銀行口座に安全に振込まれます。

■貴重品を貸金庫で預かってくれる

銀行で預かってくれるのはお金だけではありません。貸金庫サービスを利用すれば、貴重品も支店の金庫内で預かってもらえます。

もちろん銀行の貸金庫には危険物や食品などを預けることはできませんが、実印や預金通帳から、宝飾品、コレクションの品、思い出の手紙や写真まで、様々なものを預かってもらうことが可能なのです。

銀行以外の倉庫会社なども貸金庫サービスを安価で提供していますが、信頼と安心感で言えば、少し高くても銀行の貸金庫サービスが一番と考える方が多く、昨今、自然災害による被害が増加していることもあり、貸金庫は銀行の人気サービスのひとつとなっています。

なお、貸金庫は銀行の審査を通らないと利用することができません。貸金庫を利用したい銀行支店との取引実績や預金金額が審査に影響していると言われています。将来、貸金庫を利用したいのであれば、ローンや給与受取、各種決済を積極的に利用するなどして銀行支店と良い関係を築いておくことも大切です。

■投資も身近な銀行で行える

証券会社に行かなくても、銀行で投資信託を購入することが可能です。

証券会社と同じように、多くの銀行でも、税制優遇制度である「NISA（少額投資非課税制度）」や「iDeCo（個人型確定拠出年金）」を取り扱っています。

証券会社は少し敷居が高いと感じられている方も、普段から利用している銀行であれば、気軽に相談できるのではないでしょうか。窓口でじっくりと説明を受け、相談しながら決めることもできますが、人を介する分、販売手数料などは高めに設定されている傾向にあります。

なお、銀行で投資信託を購入することは可能ですが、株式を購入することはできません。株式での運用をしたいのであれば、証券会社に口座を開設する必要があります。しかし、株式等を取引したいことを銀行に相談すると、系列や提携先の証券会社を紹介してくれることもあります。これらの紹介を利用して証券会社に口座を開設することもできるでしょう。

■各種保険も取り扱い

現在では、銀行でもすべての保険販売が認められるようになり、現在多くの銀行で各種保険が取り扱われています。

生命保険、損害保険をはじめ、ペット保険を扱う銀行もあります。長く取引していればこちらの状況も理解してくれて、ライフイベントに合った最適な保険を提案してくれるかもしれません。

ただし、銀行は融資先の顧客などに対しては、保険販売が制限されています。銀行との取引状況によっては、保険を提案してもらえないこともあるので注意しましょう。

■贈与・相続もサポート

銀行によっては、贈与や相続に関連する商品・サービスも提供されています。

例えば、信託銀行など贈与がスムーズに行える商品や遺産整理、遺言の作成サポートなどのサービスを受けることができる銀行も存在します。また、相続や贈与の手続きで税理士や司法書士などの専門家が必要となれば、これらの専門家を紹介してもらえることもあります。相続について気になる場合、取引銀行にまずは相談してみることも選択肢の一つとなるでしょう。