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2019年12月31日まで!空き家を相続した場合に活用できる特別控除

2018.07.02

相続不動産の税制優遇3000万円が受けられる要件とは?

相続によって空き家となった不動産を取得し、その後、空き家をどのようにすれば良いかと検討しているうちに、そのままになっているケースが少なくないのではないでしょうか。
このように停滞中の空き家に対して、流通の活性化を図るため、譲渡時に一定の要件を満たすことで3,000万円の特別控除が受けられる制度が存在します。詳しく見てみましょう。

相続等で取得した不動産の譲渡時3,000万円特別控除

相続で空き家を取得し、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、且つ、平成31年(2019年)12月31日までにその空き家を売却した場合には、一定の要件を満たせば譲渡所得から3,000万円の控除を受けられます。

一定の要件とは、次のような項目となります。

・相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること
・相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいないこと
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
・相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていたことがない
・相続した家屋を取壊した場合、家屋も更地となった土地も譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがない
・家屋の譲渡の場合、譲渡時において当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

要件のポイントは、相続を受ける前や相続を受けた後から譲渡時までの間も貸家などにしていないことです。また、家屋の譲渡の場合には、耐震基準を満たしていなければ耐震リフォームが必要となる点も注意が必要です。

耐震基準を満たすためにリフォームするまでは対処したくはないという場合には、家屋を取壊し更地の状態で土地のみを譲渡することも可能です。

家屋と土地の合計額が1億円を超えると適用外に

特別控除が適用されるためには、家屋と土地の合計譲渡額が1億円を超えてはならないこととされています。この場合、土地を分割して売却したとしても、合計の売却額が1億円を超えているかどうかで判定されますので、注意が必要です。

相続による空き家は増加傾向にあります。管理や防犯の面からも、いずれは何らかの対処が求められる事も想定しておかなければなりません。

少しでも節税につながるよう、要件に該当するような条件が揃うのであれば、特別控除を利用しての譲渡を検討されてみてはいかがでしょうか。

参考:国税庁 http://www.mlit.go.jp/common/001127709.pdf

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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