FINANCE

賃貸用・事業用不動産を活用した相続税対策とは?

2018.03.12

【相続税】資産圧縮と優遇措置が魅力の不動産を使った相続税対策 Vol.2

皆様の周りでも相続対策のために、所有する土地の上に賃貸用のアパートやビルを建設されたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、賃貸用・事業用の不動産を使った節税スキームと、押さえておきたいポイントをお伝えします。

賃貸用の建物や土地は評価額が低くなる

前回、土地の評価額は現金の約8割であるとお伝えしましたが、さらに評価額が下がるのが、アパートや貸家など、賃貸用の建物や土地です。減額割合は、地域によって変化しますが、建物で約30%、土地は約20%評価額が割り引かれます。アパート建築のために銀行でローンを組み、万が一の際に借金が残る形にすると、その借金が相続財産から差し引かれるため、例えば法人保険等を数億円規模の保険金の準備がある方など相続税対策として敢えて保障を付けずに取り組む場合もあります。

その方法によって相続税を数億円規模で圧縮できた事例も存在しますが、入居者が集まらずローンの返済に行き詰まる、地価が下落して売却できない、子孫に負債を残すといったリスクがあることを忘れてはいけません。そうならないためにも、団体信用生命保険等を活用した万が一の際に消える借入れや、現金、保険、ファンド、海外資産等その他資産とのバランスを考えた出口戦略を立てましょう。

事業用の土地の小規模宅地等の減額特例

《医院やクリニックの土地への減額特例》

「事業を承継する」場合、自宅だけでなく事業用の土地にも、小規模宅地等への特例の適用があります。事業用宅地の場合、適用面積は400㎡まで、自宅の場合と同じく評価額が80%減となります。自宅の土地も特例を使用できる場合、合計730㎡まで適用が可能となります。

亡くなった方が開業していた病院の土地の場合、相続税の申告期限までに病院を引き継ぎ、申告期限まで継続して開業していることが必要です。ただ、歯科クリニックを相続して内科の医院を開院する、といった場合、同じ事業とは認められず残念ながら適用はありません。

歯科医院の土地を内科医の子どもに相続させたいような場合にも、対処の方法はあります。まず1つ目の条件は、親子が同居、または別居でも経済的に一体の生活をしていること。2つ目の条件は、親が死亡する時点ではすでに開院し、相続税の申告期限までその土地の上で内科医院を開設していること。この条件が満たされれば、特例の適用を受けることができます。

《医療法人の特例適用は細かな要件の確認が必要》

法人化している場合も、事業用の土地の特例を申請することができます。法人の場合、特定同族会社であることや、同族会社の役員であること、などの条件があるので注意してください。確実に適用を受けるには、専門家に相談するのがおすすめです。

《賃貸用の土地も適用可能》

アパートや駐車場などの賃貸用の土地も、事業を承継する相続人が特例を使用できます。対象面積は200㎡まで、評価額の割引は50%となります。

まとめ

不動産が相続税対策に有効だと言われる理由には
①不動産は現金の約8割の相続税評価額となること
②賃貸用であれば更に20~30%割り引かれること
③小規模宅地等の減税特例を上手く活用すると80%割り引かれること
④敢えて借入れを残す手法も存在すること
などが挙げられます。

開業医の先生に多いのが、保険に多く入っているため、亡くなった時に資産が最大化し、多くの相続税が発生するケースです。そのような場合には、今回ご紹介したような不動産を使った相続税対策が有効なことが多くあります。まず、ご自身の資産状況を把握し、万が一の際に残されるご家族に負担がかからないような出口戦略を立てておかれることをお勧めします。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部