FINANCE

計画的な贈与で納税額は大幅に圧縮!生前贈与の非課税枠の活用

2018.02.19

医師・歯科医師の今すぐ始めたい相続対策とは!?

医師・歯科医師の方にとっての相続問題は、医院の継承の行方にも大きく影響を与え、自身の死後、大切な家族が揉めないだろうか?医院を残すことは出来るのだろうか?などというお悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるかと思います。

今回は、相続対策として今からでもすぐに始めることの出来る計画的な生前贈与の非課税枠とそれぞれの活用を検討する上で知っておきたいポイントをまとめてお伝えします。

暦年贈与

暦年贈与とは、毎年少しずつ贈与を行い、その贈与額が年間110万円以下であれば贈与税が課税されない制度です。
基礎控除内の110万円ずつ贈与する方法が一般的ですが、現預金の財産が多い医師一家の場合は、贈与税を払っても110万円を超えて贈与した方が、相続が発生した場合に相続税を有利に働く場合もあります。例えば、310万円を20歳未満のお子様に贈与した場合は、課税額20万円、実効税率は6.5%となり、多額の相続税が想定されるような場合であれば、敢えて贈与税が発生する金額を贈与することで、トータルで節税になるケースもあるのです。

ポイント①
例えば親が子の銀行口座を作り、そこに毎年贈与する金額を振り込むのでは、名義預金(=親の財産)とみなされ、贈与になりません。振込口座の通帳と印鑑は、贈与を受ける側が管理し、実質的に財産が移転している必要があります。

ポイント②
毎年同じ時期に同じ金額を振り込むと、最初から一定額を贈与する意図があったとみなされることもあります。年ごとに金額や時期を少しずつ変えることをおすすめします。

ポイント③
相続開始の3年以内に行われた贈与は無効となります。ただし、相続人ではない孫などへの贈与であれば、相続財産に差し戻されません。

相続時精算課税制度

60歳以上の親又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対する2500万円までの贈与が非課税となる制度です。

この制度のメリットは一度に大きな財産を移転できるという点ですが、その名の通り将来相続が起きた時に精算し相続税を納める必要があります。相続税を納めなくてよいと予想できる場合にはメリットがありますが、比較的資産の規模が大きい方には向かないと言われています。

ポイント①
この制度を選ぶと有利なのは、将来、つまり相続が起きた時に値上がりすると予想される財産や収益を生む資産を保有しているケースです。贈与した時点での評価額で相続税が計算されますので、値上がりした分や、贈与後に受贈者に入る資産収入は課税対象とならず節税効果が期待できます。
例えば、評価額2500万円の土地を、相続時精算課税制度を利用して贈与した場合、贈与した時には贈与税は発生しません。その後相続が発生した時にその土地が3000万円に値上がりしていても、贈与を受けた時の2500万円の評価額で相続税が計算されることになります。

ポイント②
相続時精算課税制度を選択すると相続時までの継続適用となり、途中で変更することはできません。またこの制度で贈与した財産が居住用の宅地などであっても、相続時に精算する時は贈与に分類されるので、小規模宅地等の課税価格の特例は活用できません。

住宅取得資金の贈与の特例

直系尊属である父母、祖父母から、20歳以上の子や孫に住宅取得等資金を贈与した時、贈与税が非課税になる制度です、平成31年6月30日までの期限付き特例です。

ポイント①
一般的な住宅なら700万円まで(暦年贈与を合わせると810万円まで)、省エネ、耐震構造、バリアフリーのいずれかについて一定の条件を満たす住宅の場合は1200万円まで(暦年贈与を合わせると1310万円まで)、贈与税がかかりません。
相続時精算課税制度の特別控除も併用すれば最大で3700万円まで贈与税がかからずに贈与できます。

ポイント②
この制度は既存の住宅そのものの贈与や住宅ローンの返済資金などには利用できません。

教育資金の贈与の特例

医学部を卒業するまでに必要な学費は、6年間総額で5000万円を超えることもあります。
私立中学、私立高校に通った場合や塾や家庭教師等の費用も加えると更に膨らむ教育資金のために利用できるのがこの特例です。この制度は暦年贈与との併用も可能で、平成31年3月31日までの期限付き特例になります。

ポイント①
子や孫1人につき1500万円までの教育費の贈与が非課税になります。しかし、子や孫が30歳になった時点で残額があった場合は、その額に合わせて贈与税がかかります。

ポイント②
この特例を利用する時は教育資金口座を金融機関に開設し、教育資金の入金や払い出しはその口座で行う必要があります。学校からの領収書を金融機関に提出することも忘れずに。

結婚・子育て資金の贈与の特例

結婚・子育て資金の贈与税非課税措置は平成27年度の税制改正の目玉として創設された制度で、ニュースなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか。こちらも平成31年3月31日までの特例で、暦年贈与との併用も可能です。

ポイント①
父母や祖父母が子や孫に結婚資金として贈与する場合は300万円まで、子育て資金にあてるために贈与する場合は1000万円まで非課税となります。仕組みは教育資金の贈与と似ていますが、教育資金は30歳未満の子や孫への贈与であるのに対し、こちらは受贈者が20歳以上50歳未満という条件があり、受贈者が50歳に達した時の残金には贈与税が、贈与者が無くなった時点での残金には相続税が課されます。

ポイント②
結婚資金と認められるものは、挙式費用以外に新居の敷金や転居費用など。子育て資金と認められるものの範囲は広く、妊婦検診の費用や分娩費用だけでなく、高額な不妊治療の費用やベビーシッター代も子育て資金に含まれます。

贈与税の配偶者控除

婚姻期間20年以上の夫婦には、贈与税の配偶者控除があります。
配偶者に居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭を贈与した場合課税価格から2000万円を控除する特例です。
暦年贈与も合わせると2110万円まで贈与税はかかりません。この特例を利用してマイホームの一部(2110万円まで)を配偶者に贈与しておけば、相続財産を大きく減らすことができます。

ポイント①

不動産だけでなく不動産を取得するための現金も特例の対象ですが、どちらかと言えば不動産の贈与の方が節税効果を期待できます。
土地の評価額は路線価なので実際の取引価格よりも低いこと、また建物の評価額も固定資産税評価額なので建築資金よりも大幅に低くなるためです。

ポイント②

前述の贈与から3年以内に贈与者が亡くなっても、相続財産に差し戻されないなど、この特例を利用した相続税対策は有効ですが、不動産の移転には、登録免許税、不動産取得税、司法書士に依頼した場合の謝礼などの諸費用が必要になります。

まとめ

相続税対策は、実際に相続が始まってからではできることが非常に限られてしまいます。
早めに財産を移転するのが、節税のポイントです。今出来るものから取り入れ、相続税の不安なく相続を迎えるための準備を始めましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部