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ますます増加する訪日外国人への言葉の壁を解決する方法

2018.06.25

医療現場で取り入れたい!医療現場専門の多言語アプリ「MEDICTION」とは?

近年、日本を訪れる外国人の数は、ますます増加しています。さらに2020年のオリンピックに向けて、将来的により多くの外国人が来日することが見込まれます。日本がこれから観光立国としてグローバル化していく上で、訪日外国人の医療支援についても考えるべき時が訪れていると言えるでしょう。
観光や仕事で日本を訪れた外国人が、急病人として医療機関に緊急搬送されることも多くなってきました。日本は医療先進国でありながら、英語をはじめとする外国語に苦手意識を持つ人が多く、先生方の中にも、外国語でコミュニケーションを取ることに壁を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
しかし緊急搬送される外国人の中には、簡単な治療で済む方から、生死にかかわる状態で運ばれてくる方もいるでしょう。また言葉や文化の違いから、患者さんの意図が分からず、誤解やミスコミュニケーションが発生してしまう場面もあるでしょう。

そんな中で、患者様の痛みや気持ちを理解してあげられないというのは、とてもつらいことです。またもし私たちが逆の立場でも、言葉が通じない国で医療を受けることがどれだけ不安なことか、想像は容易いのではないでしょうか。今回は、そのような臨床現場を知っている現役医師たちが開発した、外国人患者向け通訳アプリ「MEDICTION」についてご紹介します。

1.MEDICTION(メディクション)とは?

MEDICTIONは、中国語や韓国語のみしか話せない外国人患者の救急外来や、通訳が立ち入れない手術室での麻酔導入、通訳不在時も入院中外国人患者の対応などを経験してきた医師たちが、自身の経験をもとに開発した通訳アプリです。

2.特徴

MEDICTIONの特徴は、なんといっても自動翻訳に頼らない「正確性」が保たれていることです。医療現場において最も大切な事は、患者様の安全です。「どこが痛いのか」「いつから痛いのか」「どのぐらい痛いのか」など、絶対に誤ってはいけない情報について、自動翻訳ソフトを使って翻訳をしても、そのフレーズが正しく翻訳されているかは分かりません。

MEDICTIONでは、臨床現場で頻繁に使うフレーズを事前に登録することで、常に正確性を保っています。また登録されている全てのフレーズは、ネイティブスピーカー及び医師の監修を受けているので、正確さの求められる臨床現場で安心して利用することが可能です。さらにAIを搭載しているので、ドクターが使用したフレーズの前後関係を蓄積し、次のフレーズの予想や、学習をしていきます。使いたいフレーズがすぐに使える、夢のようなコミュニケーションツールなのです。

3.機能

<回答機能>
以下のように患者様の言語で、質問と回答を用意しています。さらに患者さんの回答後に、日本語訳が表示されます。

NRSの痛みスケールや、左右差、カレンダー、身体画像も用意されています。

<フレーズ読み上げ機能>
フレーズを押すと、その質問が患者様の言語で再生されます。目の不自由な患者さんにも対応可能です。(現在、ベトナム語の音声再生のみ非対応です。)

<イラスト表示>
患者様に伝えたい指示を、イラストと言葉で表示させる機能を搭載しています。

<ブックマーク機能・新規フレーズ登録機能>
よく使うフレーズは、ブックマークして並べ替えることができます。また、掲載されていないフレーズが見つからない場合は、登録フォームから申請することができます。申請希望の多かったフレーズから順次登録を行っており、各国のドクターがリアルタイムで翻訳を行なっています。

<相互翻訳機能>
現在、日本語・中国語・韓国語から、日本語・中国語・英語・韓国語・ベトナム語への相互翻訳が可能になっています。今後随時、対応言語の拡大を行っていくそうです。

4.利用環境

対応端末:Windows 7以上、MacOS X 10.8以降(PC版)
iPhone6/8/X、Android8.0以上(スマートフォン版)
動作ブラウザ:Google Chrome または Safari(共通)
利用方法:パソコン・スマホなどからサイトにアクセスし、言語やフレーズを選択する(アプリのダウンロード不要)
対応言語:日本語/中国語/英語/韓国語/ベトナム語(ベトナム語のみ音声再生非対応)

5.開発者の思い

最後に、今回、開発者であり現役医師である尾崎功治先生に、アプリ開発に対する思いをお聞きしました。
「私は学生時代に、中国・北京大学医学部に留学していました。中国にいた時、自分自身が病院にかかるという困った経験があったことに加え、現在勤務する病院の病棟で、実際にコメディカル(看護師やスタッフなど)が現場でGoogle翻訳を使い、外国人患者さんと必死でコミュニケーションを取ろうと頑張っている姿を見て、医療専門の翻訳アプリがあれば便利なのではないかと考えていました。さらに自分自身にパソコンの知識があり、パソコン好きだったことも相まって、このアプリ完成に辿り着きました。

これから東京ではオリンピックも開催されますし、ますます全国で外国人の医療需要が高まると考えています。その時に「MEDICTION」が、伝わる・伝わらないの「0→1」になるきっかけになればいいなと考えています。

「MEDICTION」は全ての機能を無料でご利用いただくことができます。医師と患者さんコミュニケーションツールの1つとして、1人でも多くの方に使っていただきたいと考え、日々メンバーと開発をしております。ぜひ皆様の医療現場にご活用ください。」

「MEDICTION」には、尾崎先生の医療現場での経験が存分に活かされているんですね。是非皆様も一度、多言語通訳アプリ「MEDICTION」を現場で使われてみてはいかがでしょうか。

「MEDICTION」https://mediction.net/

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部