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プラチナとゴールドの投資価値の違いとは?

2018.05.07

価格急騰もあり得るプラチナ投資の魅力

世界情勢に危機が訪れると、貴金属などの実体のあるものへの投資が盛んになります。代表的なものとして、金、つまりゴールドへの投資があります。ゴールドと似た貴金属として、プラチナ(白金)も存在します。プラチナはよく指輪などの素材として使われているため、宝飾品の素材としてよくご存知の方も多いかと思いますが、プラチナの魅力はそれだけではありません。今回はプラチナ投資の魅力について解説します。

ゴールドとプラチナの物質的な違い

ゴールドとプラチナはよく似た性質を持っています。ゴールドは化学的に言うと、原子番号79の金属です。一方でプラチナは原子番号78になっています。つまり、ゴールドの原子から1つだけ電子を取り除いたものがプラチナなのです。

電子ひとつの違いですので、化学的な性質もよく似ています。ゴールドは錆びにくく溶けにくい金属として有名です。太古の昔から、ゴールドがお金の代わりとして使われ、王族の装飾品として使われてきたのも、美しいだけでなくそのような耐久性があったからです。

プラチナも、ゴールドにはやや劣りますが、他の金属と比べて圧倒的に耐久性の高い金属となっています。

ゴールドとプラチナの資産としての違い

日本でも江戸時代には、大判小判などにゴールドが使われていました。その後、明治時代には金本位制が導入されました。金本位制とは、中央銀行がゴールドを保有し、その量に対応した貨幣しか発行することができないという仕組みです。

現在では金本位制は廃止されましたが、世界各国の中央銀行は外貨準備として現在でもゴールドを大量に保有しています。

一方で、プラチナはそのような経済システムに関する歴史がありませんが、2013年頃、アメリカのオバマ政権で1兆ドルのプラチナコインを発行することが検討され話題となりました。アメリカ政府の膨大な債務問題を解決するための方策として、プラチナコインを発行して予算を捻出するという目論見です。

プラチナは最近になって、経済を支える重要な資産として認識され始めたということが言えます。

ゴールドとプラチナの希少価値の違い

ゴールドは希少価値が高いために価格が高騰していますが、プラチナも同様に希少価値が高い金属です。

ゴールドの埋蔵量は6万トンから7万トンと言われています。ゴールドは携帯電話などの電子部品にも使われており、宝飾品などにも使われていますので、リサイクルをすれば何度でも使うことはできます。

しかし、新しく金鉱から採掘する量としては、世界中で合わせると、1年でおよそ3000トンになっています。そのため、新しく産出する量としてはあと20年~30年程度で枯渇してしまうと考えられており、希少価値は年々高まっています。

プラチナの埋蔵量は16000トン程度と言われており、ゴールドよりも少ない貴金属です。
1年間の採掘量は200トン程度であるため、ゴールドほど枯渇が意識されていませんが、存在する量がそもそも少なく、希少価値が高いことには変わりありません。

プラチナの価格が急騰する別の要因

また、プラチナは今後、供給が足りなくなるのではないかとも言われています。その要因は、最先端の科学技術でプラチナが使われ始めたことです。

近年のナノテクノロジーの発展によって、プラチナが優れた触媒性能を示すことがわかってきました。触媒とは、化学反応を促進する材料のことで、発電や俳ガスの浄化などの化学反応を生み出すために用いられるものです。

こうした最先端技術に、プラチナはなくてはならない物質となっているのです。

プラチナ価格は現在も変動中

2000年代に入るとプラチナの価格は高騰し、2008年頃はゴールドの2倍程度の価格にまでなりました。

それ以降はプラチナ価格も徐々に低下し、2018年現在ではゴールドと同程度の1グラム4000円弱となっていますが、プラチナ価格は科学技術の発展やプラチナコインのような資産としての新たな役割によって、再び急騰していく可能性が十分にあるといえるでしょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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