FINANCE

iDeCoとの相違点や企業型確定拠出年金導入のポイントを紐解く

2018.11.05

企業型確定拠出年金を活用して着実に老後資産の形成を図る

2017年1月の法改正により、個人型確定拠出年金(愛称イデコ、iDeCo)には、基本的に20歳以上60歳未満の全ての人が加入できるようになりました(※①)。これをきっかけに、確定拠出年金への注目度が高まり、企業型確定拠出年金の導入を検討する会社も増えてきており、確定拠出年金制度はすそ野の広がりを見せています。
そこで今回は、企業型確定拠出年金の制度概要をiDeCoとの相違点を踏まえながら解説するとともに、導入の際の注意点などもお伝えしていきます。

■企業型確定拠出年金とは

まず始めに、企業型確定拠出年金とは、豊かな老後生活を送るための資産形成を図る年金制度であり、会社が退職金制度の一環として導入しています。基本的に、会社が掛金を負担し、自己責任のもと個々人で資産運用することになり、原則60歳以降にこれまで積み立てた資産を受け取るスキームです。iDeCo同様、確定拠出年金の大きなメリットである運用時・受取時それぞれの節税メリットを活かして資産形成を図ることができ、転職の際にも移管し継続運用することが出来る便利なポータビリ性を持ち合わせています。

■iDeCoとの相違点は

一方でiDeCoとの相違点として、掛金を負担する主体が加入者本人ではなく会社となるほか、掛金上限も異なります。企業型確定拠出年金の場合、確定拠出年金以外に、他の企業年金(厚生年金基金など)がある場合は、月額27,500円が拠出上限となり、他の企業年金がない場合は月額55,000円です(※②)。加えて、掛金額は役職や勤続年数などに応じて設定することもできます。また、自社の企業型確定拠出年金規約に定めることで、マッチング拠出を行うことも可能です。マッチング拠出とは、会社が支払う掛金に上乗せする形で、加入者本人も掛金を拠出する仕組みです。そして、マッチング拠出で支払った拠出金は全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を軽減させることができます。ただし、このマッチング拠出には、会社が拠出する金額以下、また会社と加入者の拠出合計金額が拠出上限以下という縛りがありますのでご注意ください。

■企業型確定拠出年金の導入の際に注意しておきたいポイント

企業型確定拠出年金の導入の際の検討すべきポイントとして以下の3つが挙げられます。

1、加入者範囲の指定

ご自身のみ1人加入するケースは除き、正社員のみ加入対象者とするか、もしくは一定の勤続年数を経た人が加入するか、または選択制DCといって従業員に企業型確定拠出年金へ加入するか否か選択してもらう制度設計とするか自由にアレンジすることができます。ただし、非正規従業員の人でも厚生年金被保険者であれば企業型確定拠出年金の加入対象となるため、不当に差別的な扱いを行わないよう注意を払いつつ、合理的客観的な基準で加入者の範囲を指定する必要があります。

2、掛金額の設定

確定拠出年金は、何十年という長い期間にわたる制度運営となりますので、自社の年金制度状況に応じて、定額・定率など柔軟に設計させることができます。

3、継続投資教育

確定拠出年金法の改正により、継続投資教育が努力義務化されました(※③)。これにより、企業型確定拠出年金を実施する事業主は、制度への加入時と加入後においても、加入者に対し、確定拠出年金制度が運用次第で元本割れが生じることや、運用商品の特徴など資産運用を適切に理解できるよう投資教育を行う必要があります。なお、継続投資教育に関しては、企業型確定拠出年金制度の契約を締結した金融機関に、サポートを求めながら行うと負担も軽減されるかと思われます。
勤務先が導入する企業型確定拠出年金の規約に、使用期間3年未満で退職した場合、事業主が負担した掛金を返還する規定が盛り込まれている場合があることや、確定拠出年金が元本確保型の金融商品ではないため、ご自身の運用次第で将来受け取れる年金額が想定以上に目減りしてしまう可能性などが、加入者側の注意点として考えられますので、従業員が理解したうえで加入できるような環境を整えるよう努めましょう。

■まとめ

最後となりますが、現在は「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、自己責任で資産形成を図る時代に突入しています。今回お伝えしました企業型確定拠出の導入のポイントを踏まえて、節税効果などのメリットを活かしつつ、着実に計画的に老後資産の形成を図るべく、企業型確定拠出年金の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

《出典》
※① 国民年金基金連合会 https://www.ideco-koushiki.jp/guide/
※② 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html
※③厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192886.html

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部