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世界の富裕層がポートフォリオに組み込む「金(ゴールド)投資」とは!?

アラン・グリーンスパン氏も認めるゴールドの魅力

2017.10.02

前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏も認める金(ゴールド)の魅力

前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏の講演料は約1千万円すると言われています。

そんな彼が、あるヘッジファンドのフォーラムで講演した際に、「講演料はどの通貨で振り込みましょうか?」と質問されて、しばらく沈黙した後、ひと言「ゴールド」と返答したというエピソードがあります。

グリーンスパン氏は、1987年から2006年までの18年半に渡ってアメリカの金融経済をFRB議長として支え続け、1987年のブラックマンデーをはじめ、幾度となく米国金融・経済の危機を乗り越えることに寄与したことから「金融の神様」あるいは「マエストロ」とも呼ばれていた人物です。今回は、そんなグリーンスパン氏も認める金(ゴールド)の魅力とその特徴についてお伝えします。

金には永遠の価値がある

30年近く金取引に携わってきた池水雄一氏は著書『金投資の新しい教科書』の中で、『金の一番の特徴を上げるとしたら、不変性ではないでしょうか。』と述べています。金は古代エジプト文明の時代から、貴重品として人間に利用されてきた歴史があります。

そして、ゴールドは「有事の金」と呼ばれています。特にドルへの信頼が揺らぐと、金が買われる傾向が強くなります。相場には例外も多くありますが、リーマン・ショックや米国同時多発テロ後に金価格が急騰したことやアメリカ経済が好調であった時期(1980~1990年代)に低い水準で安定したことからもその相関性は明らかです。

ただし、日本国内で円建ての金価格を考えるにあたっては、為替の要素を忘れてはいけません。というのも、円建ての金価格はドル建てで公表されている国際価格に為替を反映させたものであるためです。ドルへの信頼が揺らいでいる時期には、金(ゴールド)同じく「有事の円」を呼ばれる円も買われ、円高ドル安となります。そのため、しばしばドル建ての金価格と円建ての金価格は、同じ金の価格とはいえ、相反する動きを見せることもありますので注意が必要です。

金(ゴールド)投資のデメリット

金(ゴールド)は単に所有しているだけでは一定のリターン(金利)を生みません。また、保管などにコストを要します。これらが金を持つことのデメリットと言われていますが、世界の多くの中央銀行や富裕層のポートフォリオには金が含まれており、そこからもそれらのデメリット以上のメリットが存在することが読み取れます。

金は通貨危機が到来しても世界中で売れる

2015年のギリシャ通貨危機では銀行が営業停止したため、預金者がATMから現金を引き出せなくなり、国内発行のクレジットカードも使えなくなりました。日本でも、終戦から半年後の昭和21年2月17日に、金融緊急措置令が施行されて、国民一人あたり300円(現在の300万円)だけしか銀行預金を下ろせなくなった歴史があります。

しかし、金は世界中で売ることができるため、突然銀行が使えなくなっても資産として役立つのです。

金貨はプレミアム価格を付ける

記念金貨は長期投資におすすめです。1964年発行の東京オリンピック記念金貨が30万円のプレミアム価格を付けています。7.2グラムですから、2017年9月28日現在の金地金の買取価格5,076円で売ると約36,500円にしかならないのに対して、アンティークコイン店では8倍以上の希少価値を付けます。2020年東京オリンピックで再び記念コインブームが到来するかも知れません。

金地金を5年以上保有すると譲渡税がお得

金地金を売却した場合の利益には譲渡税が課税されます。
利益のうち50万円までは特別控除の対象となり、所有期間5年未満と5年超で税率が変化します。

譲渡所得の計算方法

{売却価格-(取得価格+売却費用)- 特別控除50万円}=短期譲渡所得
金を1500万円で購入して3年目に2100万円で売却し、売却費用を考慮しない場合、550万円に譲渡税を課税されます。

2100万円-(1500万円+0円)-50万円=550万円

{売却価格-(取得価格+売却費用)- 特別控除50万円}×0.5=長期譲渡所得
金を1500万円で購入して7年目に2100万円で売却した場合、275万円だけに譲渡税を課税されます。

2100万円-(1500万円+0円)-50万円×0.5=275万円

ただし、営利を目的として継続的に金の売買をすると、譲渡税ではなく事業所得または雑所得の扱いになります。金投資口座の利益は金融取引に近いため、一律20.315%(所得税および復興所得税15.315%、地方税5%)の税率で源泉分離課税となります。

詳しくは国税庁ホームページで金地金を売ったときの税金をご確認ください。

資産総額の10%は金で所有する

一般的に欧米では全資産のうち10%を金で所有するのが理想的だと考えられています。
貯金、債権、株といったペーパーアセットだけでは、紙切れになってしまう危険性を孕んでいるからです。

資産を守るため、インフレに強い資産である金をポートフォリオに組みこむという選択肢を検討する価値はあるのではないでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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