投資で利益を得たら?~いつ、いくら課税されるのか~
2018.04.02
株・投資信託・外国為替証拠金取引(FX)にかかる税金
ネット証券の普及やロボアドバイザー、NISA等の影響で、以前より株式投資が私たちにとって身近なものとなってきています。皆様の中にも、既にされている方、検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな株式投資と、それと比較されることも多い外国為替証拠金取引(FX)にかかる税金についてお伝えします。
株・投資信託にかかる税金
株・投資信託にかかる税金は一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。また株と投資信託の損益通算も可能です。
NISA口座を活用すると、年間120万円まで、期間5年、総額600万円までという枠内ではありますが、株や投資信託の値上がり益や配当金が非課税となります。
ただ、売却しても非課税枠の再利用が認められないため、短期売買を繰り返してしまうとすぐにその上限に達してしまいます。非課税枠を有効に活用するためにも、NISA口座では長期運用を、短期売買をするなら別口座でと分けておくと良いでしょう。
初心者の方などは源泉徴収ありの特定口座にしておくと、利益が確定する毎に証券会社が代わりに納税してくれるため株や投資信託の運用益、配当金等に関して申告不要となり、口座内の損益通算も自動でやってくれるため非常に便利です。ほとんど取引しないと言う場合は、源泉徴収なしの特定口座を選んだ方が運用効率は良くなりますが、特に専業主婦や学生など、誰かの扶養に入っている場合には、投資で利益が出すぎると扶養から外れてしまう危険性もあるため、源泉徴収ありにしておくことでそのリスクを回避することができます。
ただし、複数の証券会社で口座を所有し一部で損が出ていたケースなど、確定申告をすることによって、自動的に源泉徴収された利益が還付されるケースもあります。株式の損失は翌年度以降に最長で3年間 繰り越すことが可能で、その損失を繰り越している間は確定申告が必要となります。
外国為替証拠金取引(FX)にかかる税金
FXに関しては、雑所得に分類され、以前は今日の仮想通過と同様に総合課税(累進課税)の対象でしたが、2012年より申告分離課税に変わり、それにかかる税金は株式投資にかかるものと同じ一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)となりました。
但し、海外のFXに関しては国税庁が定める店頭デリバティブ取引に該当しないため、今もなお総合課税の対象となっていますので注意が必要です。
雑所得の合計が20万円以下の給与所得者など、申告不要の場合もありますが、株のように源泉徴収される仕組みが無いため、FXで利益を得ると原則確定申告が必要になります。少し面倒な気もしますが、FXでは経費を出すことも可能です。パソコンや、FXに関するセミナーや書籍代、プロバイダー料金等がそれに当たります。ただし、その全てが認められるわけではなく、例えばプロバイダー料金の内、FXに利用している割合は20%などといった形で経費計上していきます。
FXは、CFDや日経225先物、バイナリーオプション、商品先物等「申告分離課税の先物取引に係る雑所得等」に分類される金融商品と損益通算することが可能で、株と同様の損失の繰越控除制度もあります。
まとめ
株式投資をされる場合には、源泉徴収ありを選ぶと申告が不要になりますが、株式取引をされる場合も、FX等の先物取引をされる場合も、赤字になった際には損失の繰越控除制度等もあるため、確定申告をされることをお勧めします。
現時点(2018年2月)ではFXと株の損益通算はできませんが、金融所得課税の一本化は着々と進んでおり、今後の制度改革によって、より快適に、わかりやすい税制のもと投資を行える日は近いかもしれません。