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予算拡大となる「IT導入補助金」で医療現場の業務効率化を図る

2018.03.26

診療所でも活用できる!「IT導入補助金」とは?

業務効率化を図ることは、大きな意味での経費削減にも繋がるものでしょう。そのため、医療系の管理システムなどのITツールはもちろん、事務的な経費精算システムや勤怠システムなどの導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。今回は、このようなITツール導入費の一部を補助する「IT導入補助金」についてご紹介します。

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者などがITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する費用の一部を補助する制度であり、正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」といいます。

経済産業省は、2018年度のIT導入補助金事業の総予算を前年100億円から500億円へと大幅に引き上げる見込みです。1件あたりの補助金額の上限は50万円(補助率は2分の1)と予定されており、多くの事業者の利用が期待されています。

2018年度の募集期間や交付日程などについては、まだ正式な発表はされていませんが、2017年度では2回の募集期間が設けられ、それぞれ3月頃、6月頃となっていました。今年度の日程はまだ正式公表にはなっていませんが、春から夏にかけての時期ではないかと予想されています。今後の最新情報には注目しておきましょう。

対象となる中小企業・小規模事業者の基準

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象としていることから、企業の規模には次のような一定の基準が設けられています。医療系と一部の業種について見てみましょう。

・医療法人、社会福祉法人の場合
資本金は5,000万円以下、従業員(常勤)100人以下であること

・サービス業
資本金は5,000万円以下、従業員(常勤)100人以下であること

・小売業
資本金は5,000万円以下、従業員(常勤)50人以下であること

医療法人の場合は、サービス業と同じ条件となっており、こちらをクリアしていれば、IT導入補助金の対象事業者となります。

どのようなITツールが対象となるか

IT導入補助金で対象になるITツールとは、あらかじめ「IT導入支援者」として事務局から承認されたツール(ソフトウエア、サービス)などになります。対象となるツールは年度毎に申請されるため、2018年度はこれから集められることとなりますが、2017年は次のような業務管理システムが承認されました。

・歯科系管理システム
・経費精算システム
・電子カルテシステム
・業務日報システム
・クラウド勤怠管理システム など

これらは一例であり、この他にも様々なシステムが取り扱われました。2018年度も同様のツールが対象となることが予想されます。システムを導入した場合には、導入費用に対して補助されることになり、クラウドサービスを導入した場合には、導入の初期費用と1年間の利用料が補助されることとなります。(補助額上限は50万円、補助率2分の1)

また、いまや事業者には欠かせないホームページやブログの制作費用も対象となります。ただし、既存のホームページを一部更新することや、追加するだけの費用は対象とはならないことがポイントです。

補助金の交付から入金までは比較的短い

2017年度の補助金交付から入金までのスケジュールを確認すると、おおよそ6ケ月強程度の期間と考えられます。国の補助金制度としては、比較的短期間で完了できるといえるでしょう。手続きについてはシステムやサービスを導入するIT業者などと協力しながら進めることもでき、申請のハードルもそれほど高いものでないでしょう。

業務のIT化は、多くの労力を削減できる可能性があります。また、しっかりと思想や特長を伝えられるホームページはインターネットからの集客効果も期待できます。業務効率化や差別化を図る上でもIT導入補助金を利用したITツールの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

参考:IT導入補助金 https://www.it-hojo.jp/

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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