MANAGEMENT

巨大企業を築いた「叱責哲学」とは?

2018.02.28

松下幸之助に学ぶ、部下を育てる方法

前回ご紹介した「水道哲学」以外にも松下幸之助氏はたくさんの経営哲学を残しており、その根幹にあるのは「人づくり」という考え方です。そこで今回は松下幸之助の人づくりについての考え方やエピソードをご紹介します。松下幸之助からは、どの業種の企業にも当てはまる部下の育て方について学ぶことができます。

パナソニックの歴史

パナソニックの創業は2018年3月。現在のパナソニックは、無名のエンジニア松下幸之助によって松下電気器具製作所としてスタートされました。日本はこの100年の間、戦争、高度経済成長、オイルショック、バブル経済、バブル崩壊、リーマンショックなどの金融ショックなど、多くの出来事に見舞われました。

しかしそんな中でも力強く生き残ってきたのがパナソニックなのです。

そんなパナソニックが急成長したきっかけがあります。それが5カ年計画と呼ばれるもので、それは1956年に松下幸之助によって発表されました。当時年間220億円だった販売高を5年後には800億円に、従業員は11000人から18000人に、資本金を30億円から100億円にするという壮大な大目標です。

当時としてはこのような計画を発表するということ自体が異例のことでしたが、見事この計画は達成されました。5年後には販売高は1054億円に達し、従業員数は28000人となり、資本金は150億円を達成したのです。

経営は人づくりから始まる

このように大きな計画を実行するには、部下がリーダーについていくことが必要です。松下幸之助が部下をまとめ上げる能力に長けていたのは、「企業は人づくり」という考え方を大切にしていたからです。

松下幸之助は部下に「松下電器は何を作る会社なのかと尋ねられたら、人を作る会社だと答えなさい」と言い聞かせていたと言われています。人づくりという考え方を自分が実践するだけでなく、社員にも浸透させていました。

部下を厳しく叱責していた松下幸之助の「叱責哲学」

松下幸之助は、部下の失敗に対しては非常に激しく叱責することで有名でした。彼は、「企業は社会に貢献していくことを使命とする公器であり、リーダーは私的な感情ではなく、使命感で叱らなければならない」という考え方を持っていました。松下幸之助は感情任せに叱るのではなく、部下に事業精神を学ばせることを念頭に置いていたのです。

それに加え、厳しく叱責した後も、フォローを入れることを忘れずにいたと言います。
ある日、松下幸之助はストーブの火かき棒が折れ曲がるくらい床を叩いて部下を厳しく叱責し、部下を帰した後で部下の妻に電話し、「さきほど厳しく叱ったので、美味しいものを作って励ましてくれ」とフォローを入れたというエピソードもあります。

叱責が効果を発揮するには、信頼関係を構築していることが必要

昨今では、ただ単に叱るだけでは部下はついてきません。それどころか、パワハラなどと言われてしまうことさえあります。しかし、松下幸之助の場合は、彼に叱られたことを嬉しく思う著名人もたくさんいたほどです。厳しく叱責しても部下から慕われていたのは、日頃から松下幸之助が部下に尊敬されるような姿勢を貫いていたからです。例えば、松下幸之助は自ら会社のトイレを早朝から掃除するなど、部下を驚かせるようなことを日頃から行なっていたといったエピソードも有名です。

感情ではなく経営の一環として叱る。そして、それが響くように日頃から尊敬される振る舞いをし、信頼関係を築く。厳しく叱責した後はフォローも大切にする。そうした人づくりの姿勢を徹底することが、5カ年計画のような大目標を達成することにつながったのです。

スタッフをうまく叱れていない、なかなか想いが伝わらないといったお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非試してみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部