MANAGEMENT

世界的企業に共通する「企業は人なり」の思想

2018.02.21

松下幸之助が実践した「水道哲学」とは?

「経営の神様」という異名を持つ、松下幸之助氏はパナソニック(旧松下電器産業)の創業者であり、PHP研究所の創業者として知られています。
今回はそんな松下氏が大切にしていた経営哲学をご紹介します。

経営者に求められるのは芸術的センス

松下氏の考え方は社会をよりよくするには各界の指導者から人材を得ることが重要だというものです。
そのため、私財を70億円も投じ、松下政経塾を茅ヶ崎市に設立し、次世代を担う政治家の育成をも手がけています。ここでの基本的な考え方として、自習自得というものがありますが、これはつまり、他から与えられるのを待っているのではなく自分で考え研究、理解して会得するというものです。
彼は第1回の入塾式においてこの考え方に基づき、将来卒業後にたとえば文部大臣をやれと言われたとしても、引き受けられるだけの知識を養うようにと述べています。

また、彼は経営学を学んだとしても、経営を学ぶことはできないとも言っています。実際に、経営とは理論を勉強したとしても、その通りにいかないことが多く、実践するためには経験に基づいたカンやコツなどが必要だからです。つまり、芸術的センスが経営者に求められるということで、そういった意味でも、経営は永遠に完成しない総合芸術と言っても過言ではないでしょう。特に彼が行ったフィリップスとの提携交渉では世界でも有数の大企業に経営力を認めさせることができ、条件を改善することを認めさせ結果的に素晴らしい功績を収めています。

松下幸之助の経営理念の根幹にある水道哲学とは?

経営者は良いものをより安くということから脱却する必要があると言われていますが、そんな簡単にできるはずがないとほとんどの方は言うでしょう。
実際にそれは非常に難しいことに違いありませんが、「経営者が良いものをより高く売るという姿勢を持っていないと生き残ることはできない」と言ったのがダイエー創業者の中内功氏です。彼は定価販売をメーカーが義務付けていた頃に流通業者が販売価格を決めるべきだと主張し、価格破壊を起こした人物です。

そんな中内に対抗したのが松下幸之助だったのです。
彼の考え方に経営哲学の1つである、「水道哲学」というものがあります。
幼い頃に貧しさに苦しんだ彼が水道の水のように大量にいいものを供給することによって、物価を下げ消費者の手に気軽に行き届くようにしたいという考え方で、さまざまな製品はこの哲学が映し出されていると言われています。

世界的企業に共通する「企業は人なり」の思想

松下氏の理念には人を活かすというものがあり、体弱く休みがちだった彼は部門ごとに組織を細かく分け、仕事を徹底的に人に任せており、これがかの有名な事業部制の源となっています。そのために、彼は従業員ひとりひとりにきちんと心を砕いて接していたと言われています。その彼の姿勢が優秀な人材を育てることにつながっていきました。彼は人を何よりも大事にしていたと言われており、一人ひとりの従業員が主役になることによって仕事にやりがいを持つことができ、充実した毎日を送ることを願っていたのです。

パナソニック、トヨタ自動車、ソニーなど世界的企業に共通する点は「企業は人なり」を実践している点でしょう。京セラ創業者であり、JALを再生したと言われている稲盛和夫氏も同じく、人を最も大切にして経営を考えたと言われています。

これはどのような業界においても大切なことではないでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部