ファイナンス

気楽かつシンプルに行える投資法とは!?

2020.04.20

投資初心者にお勧めの2冊

投資は豊かな人生を送るために欠かせないものです。このような考えは日本ではまだ主流ではありませんが、海外では多くの人が投資を実践しています。順調な経済発展をしている国ではインフレ傾向で毎年少しずつ物価が上がっていきます。そのような中で資産の目減りを防ぎ、資産を増やしていくためには投資を行うことが有効だと考えられているためです。
今回は、インデックス投資と呼ばれる、インデックスファンドを毎月定額積み立てるだけの簡単投資法について書かれた本を「投資初心者におすすめの2冊」としてご紹介します。

①お金は寝かせて増やしなさい(著:水瀬ケンイチ)

この本は、投資がうまくいかず悩んでいた著者が、「ウォール街のランダム・ウォーカー」という本の中で書かれていた「インデックス投資」に衝撃を受け、実際に長期インデックス投資を実践した経験をもとに書かれた本です。
「個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロが運用する投資信託を購入するよりも、ただインデックスファンドを買ってじっとしておく方がはるかに良い結果を生む」
著者がランダム・ウォーカーの本の中で衝撃を受けたのが、この言葉だといいます。インデックスファンドを毎月積立てて、それをじっと持っておくだけで、世界的に著名なファンドマネージャーや、ウォール街の猛者よりも、良いパフォーマンスを出せるという意味の言葉です。
インデックスファンドとは、ファンドマネージャーが運用する投資信託ではなく、「日経平均」や「ダウ」などの株価指数(市場平均)に値動きが連動することを目指した投資信託のことをいいます。自動的に指数に投資するファンドであるため、売買手数料や信託報酬(投資信託を保有しているとかかるコスト)も低く、長期投資に向いているという特徴があります。また、インデックスファンドには債券版もあり、それは世界中の国債や社債に投資をしています。
長期インデックス投資とはこのような株式や債券のインデックスファンドを毎月同額積立てて、あとは何もせずじっとしている方法で、世界の市場が上がっているときも、下がっているときも、リーマン級の大暴落が来た時も、ひたすら同額のインデックスファンドを毎月買い付け、保有します。このような方法は「ドルコスト平均法」といい、長期投資に最適な方法だと言われています。
著者はリーマンショックのときに恐れを抱きながらも、ひたすら買い付けを続け、そして、底を打ったあとの急激な相場の上昇に驚き、「タイミングを図って行う投資は難しい」と感じたとのこと。「底を打ったら買おう」と思っていたとしても、ここが底だと判断することは難しく、気付いたときには相場は急激に上がってしまい、買うタイミングを逃してしまうのです。
毎月定額を買い付ける「インデックス投資」では、暴落時は、平均買い付け単価を下げる良いチャンスと考え、ひたすら10年、20年と積み立てを続ける投資であるため、暴落時でも心の平常を保つことが可能です。
著者は、このようなインデックス投資の良さに加え、「インデックス投資の実際のやり方」「資産配分の決め方」「投資をする際の心構え」なども詳しく説明してくれています。
インデックス投資を始めたいという人にも、これから始めるのは遅いのでは?と不安を感じられている人にもお勧めの一冊です。

②貯金感覚でできる3000円投資生活DELUXE(著:横山光昭)

「投資は未経験」という人にもおすすめなのが3000円投資生活という書籍です。著者は、誰にでも簡単にはじめられる「3000円」という金額を使って毎月インデックススファンドを積み立てて資産をつくり、老後に備えることをすすめています。
著者は、「初めて投資を行う人」や「投資が怖いと思っている人」は、抵抗ないような金額で投資をスタートすることが大切だと説いています。一般的には、毎月1万円を積み立てるとなるとハードルが高いと感じる人が多いですが、毎月500円では得られる利益が小さすぎて投資のやりがいや面白さを感じにくいというデメリットがあります。そのようなことを考えると、月々3000円という額が、大きすぎず小さすぎず、投資をスタートするのには最適な額であるとのこと。もちろん、収入が高い人、投資に回せる余力が大きい人には、月3万円、5万円といった金額が合っている場合もあります。つまり、生活に影響が出ず、心理的に負担が少ない金額を積み立てることが大切なのです。
「投資とは、本来もっと気長に取り組むべきものであり、シンプルで気軽にできるものである」と著者は言っています。
実際、数多くの個別株の中から投資する株を選ぶことは難しいですし、FX投資は85%の人が損をするとも言われています。しかし、これからの時代は、年金はあてにできない厳しい時代となりため、老後資産を自分で作る必要性が増しています。そのため、投資が嫌いな人、投資に抵抗がある人であってもなんらかの投資を行って資産を形成していく必要があるのです。この本は、そのような人が投資に恐れを抱かずに、気軽で簡単に投資を始めることができる方法を提案しており、一読の価値があるといえるでしょう。
毎月決まった日に、自動的に決まった額で、決まった商品を買い付けするのが積み立て投資ですが、著者によると「最初の数年は、利益があまり出ないのでこのまま投資を続けて良いのか悩む」人が多いとのこと。しかし、インデックス投資の成功のカギとなるのは「複利効果」で、時間が経てば経つほどその効果は大きく表れるものなので、うろたえずにコツコツと積み立てましょう。10年、20年、30年と積み立てを続けていくことで、大きな複利効果を得られ、資産を大きく育てることができるでしょう。
この本では、このような積み立て投資の良さに加え、「つみたてNISAとiDeCoのどちらで積み立て投資をスタートすれば良いか」「おすすめのインデックスファンドの具体名」「楽しく積み立て投資をするための5つの鉄則」「強い家計の作り方」などについても説明され、投資だけではなく、お金の管理全般についても言及しています。
これからは、今までよりもよりシビアに、投資やお金について考えていかなければならない時代になりつつあります。そのような時代だからこそ、精神的な負担の少ない金額で投資を始めることが非常に大きな意味を持つのです。

まとめ

今回ご紹介した2冊の本は、どちらも「毎月決まった額で、決まったインデックス投資商品を自動的に買い付ける」積み立て投資の良さを説明しています。
インデックス投資は相場の状況を気にせずに淡々と積み立てる方法であるため、仕事や日常生活に影響が出にくい投資手法です。それでいて、長期に渡る複利効果により、投資のプロよりも良いパフォーマンスを出すことも夢ではありません。
今から10年、20年、30年後を見越して資産を形成していきたいと考える人は、ぜひ上記2冊の本を参考に投資を始めてみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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