医療×AIに期待されるイノベーションとは!?
2018.12.10
医療業界でも導入されつつある最新テクノロジー
■AIが医療現場にもたらす影響
AIによって未来に希望が持てるニュースも増えてきていることは確かで、なかでもAIを活用した診断結果が高確率で正確な診断結果を導き出せることは医療現場の負担を軽減し、より適切な治療への道筋を示すことにもなると期待されています。過去の膨大なデータを読み取り、学習したうえでの診断は迅速さも要求される医療の世界では非常に有効な効果であり、その診断結果に対して大きな責任を問われる医療スタッフの精神面をサポートすることにもなるはずです。
精神的な負担を軽減できれば、専門知識を持つ先生方が高いパフォーマンスで能力を発揮できる機会を増やすことにもつながるでしょう。ただし、AIの診断だのみになってしまうことがリスクとなることも考えられます。AIによる診断はあくまでも医師の経験に裏付けされた診断の補助材料として考えるのが望ましいといえるでしょう。
■AI×医療がもたらすイノベーションへの期待値
今年に入ってからのAIをヘルスケアや医療へ活用する動きはますます活発になり、アップルウォッチでは心電図計測機能を搭載してデータ化する機能が発表されました。
アップルのティム・クックCEOは日常的にアップルウォッチを使用しており、健康管理の一環としても利用しているといいます。このアップルウォッチの心電図計測機能では、心拍数に変化が起こった場合はアラートを表示するもので、日常的に計測することで心臓疾患や不調の早期発見という予防の働きが注目されています。心臓に異変が起こったり転倒したりするなどの緊急時にはアップルウォッチが緊急通報もするため現在地情報をもとに救助や支援の方法がとれるものです。
人生100年時代と言われる現代では健康管理はすべての人に必要なリスク管理と言えます。こうした部分でもAIがすでに導入されて人の生活を支え始めているということなのです。幅広い分野でイノベーションを起こすというAIですが、医療とのイノベーションには世界中からの期待値を一手に受けている印象もあります。
参考サイト:https://www.apple.com/lae/apple-watch-series-4/health/
■医療現場での導入を阻む壁
AIを活用した医療はこれからも大きな期待と日進月歩以上のスピードで開発が進み、今は予想もできない事業を生みだすかもしれません。あまりに巨大化した企業の潤沢な開発費によって開発が進められているAIという存在は、データの活用という側面を抱えていること、普及を目指すビジネススタイルもあり、GoogleやApple、Amazon、Facebookというごく一部の巨大IT企業にとってまたの新たに巨額の利益をもたらすだけの存在にもなってくる懸念があります。
スタートアップ企業が著しく少ないと言われる日本国内でも、中小企業や大学、研究機関などで技術者たちが開発を続けていますが、規模を問わず多くの医療現場で活用できる、導入しやすい独自の医療用AIを開発することができれば、そのような懸念事項を払しょくした“使える医療AI”として普及する可能性は十分残っています。AIの開発に積極的に医療現場の声を届けることもその一助になるでしょう。
医療の現場の方々には、AIの開発を今後も厳しく注視していただければと思います。