FINANCE

可処分所得を上げるために押さえておきたい3つのポイント

2018.02.05

来年こそは後悔を残さない!開業医の税金対策

本コラムをご覧の方の中には、今、確定申告前で予想以上の税金に愕然とされている方や昨年末税金対策に奔走された方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、今年の失敗を確実に来年に活かすための税金の考え方をお伝えします。
まず、税金を下げ、可処分所得(手取り)を増やすには、課税所得を下げる必要があります

そのために有効な方法は以下の3つです。
①所得分散
②制度活用
③経費計上

①から順番に具体例を交えてご紹介しましょう。

①所得分散

皆さまもご存知と通り、累進課税制度の影響で、例えば、院長先生一人で3000万円を受け取るのと、奥様と分けて2000万・1000万で受け取るのとでは、それにかかる税金に大きな差が生まれます。

前述のケースにおける税金を計算すると
【院長一人で3000万円の収入を得た場合】
30,000,000-2,700,000(社会保険料控除)-380,000(配偶者控除)-380,000(基礎控除)=26,540,000(課税所得)
26,540,000×0.4-2,796,000=7,820,000円(所得税)

住民税10%を差し引くと、手取り19,180,000円となります

【院長2000万円、奥様1000万円で収入を分散した場合】
20,000,000-1,800,000(社会保険料控除)-380,000(基礎控除)
17,820,000(課税所得)

17,820,000×0.33-1,536,000=4,344,600円(所得税)

10,000,000-900,000(社会保険料控除)-380,000(基礎控除)
8,720,000(課税所得)

8720000×0.23-636,000=1,396,000(所得税)

こちらも住民税10%を差し引くと、世帯での手取りは21,259,400円となります

このように概算ではありますが、所得を分散するだけで約25%もの税金を減らすことができるのです。

もちろん、その所得相応の役割や仕事を担ってもらうことは必須ですが、奥様やご両親等で、現在は仕事をしておらず専従者にも役員にも入れていない方がいらっしゃる場合は、検討の余地があると言えるでしょう。

②制度活用

小規模企業共済、確定拠出年金、住宅ローン控除、ふるさと納税等公的な制度の中に活用できていないものはないでしょうか?

例えば、個人開業医の方が、確定拠出年金と小規模企業共済で満額の138,000円拠出すると、税率50%の方であればそれだけで年間82.8万円の節税につながります。

小規模企業共済は専従者も2名まで加入でき、確定拠出年金は60歳未満であれば加入できるため、奥様やお母様などの加入も検討する価値はありそうです。

国の制度を十分に活用できているか見直すだけで、100万円以上の節税につながるケースも珍しくありません。

③経費計上

開業されて年数が経過すると、減価償却費が減り、その分課税所得が増えるという現象が起こりがちです。
毎年、年末に慌てて買い物をされたり、臨時ボーナスを出したりすることも多いというお話もよくお聞きします。

少額減価償却資産や4年落ちのお車などは一括償却することが可能であるため、そのようなものを購入することで目先の税金を減らすことが出来ますが、来年も再来年も同じように対策を打つ必要が出てきます。

そうならないためには長期的な視点での投資計画が必須です。

減価償却費等、数年前からでも予測できる経費も存在します。

例えば、3年後にCTと車の償却が終わるから、税金が上がりそうだなどと事前に把握できていれば、国の税制優遇措置や助成金等を活用できないか検討する時間的な余裕も生まれ、売上が数千万単位で急騰するなどのイレギュラーが発生しない限り、年末に焦って買い物をする必要はなくなるでしょう。

また、毎年、第3四半期(1~9月分)を終わった時点で、どの程度、計画と差が生まれているのか確認できていると非常に理想的です。

納税予測が11月や12月まで教えてもらえないという医院も少なくないようですが、その頃に税金が高いとわかってもボーナスの支給や設備の購入程度しか手立ては残されていません。

早い段階で(9月頃)予測を立て、当初の計画以上の利益が出ているようであれば、社員旅行等でスタッフに日頃の感謝の意を込めて還元するのはいかがでしょうか。福利厚生が手厚い医院は、他の大きな病院と比べて見劣りすることがなく、従業員満足度も高くなり、さらに優秀な人材も集めやすくなるという好循環が生まれます。

社員旅行は以下の3つの条件を満たすことで福利厚生費として計上することができます
・旅行期間が4泊5日以内であること(海外旅行の場合は、現地の滞在日数)
・旅行に参加する従業員数が、全従業員の50%以上であること
・旅費が社会通念上認められる範囲内であること(一人10万円程度まで)

上記の3つの条件に加えて、社員旅行に参加できなかったスタッフに金銭を支給してしまうと、それは給与とみなされてしまうため気を付けましょう。
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した3つの方法はどれも特殊なものではありません。
ご自身の医院に当てはめ、基本的な税金対策が行えているのか振り返る良き機会となれば幸いです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部