退職金として受け取るメリットは?
2017.03.06
退職金Vol.1
多くの方にとって、人生で手にする最も大きな金額となる「退職金」ですが、医院経営をされている医師・歯科医師の先生方の中には、全部顧問の先生任せになってしまっているという方や、忙しくてなかなか先のことまで考えられていないという方も多いのではないでしょうか。
会社員であれば、特に何も自身で準備しなくても、退職時にまとまった金額が退職金として支払われるということもありますが、経営者である理事長、院長という立場であれば、ご自身で準備しない限り、自動的に退職金が支払われることはありません。
今回から3回に渡って、退職金を準備する上で押さえておくべきポイントを解説していきます。
■退職金として受け取るメリット
医療法人の理事長であれば、法人保険を利用して損金を出しながら退職金の積立をされている方が多いでしょうし、個人経営の院長先生であれば、小規模企業共済に加入し、小規模企業共済等掛金控除を出しながら退職金を積み立てられている方が多いかと思います。
節税目的で加入されている方も多いかと思いますが、それらの節税スキームは次のようになります。
前述の法人保険は一部若しくは全部を損金計上することにより、法人税の節税に、小規模企業共済は年額84万円を限度に所得控除が受けられることはご存知かと思いますが、後々これら積み立てた退職金に税金がかかることは忘れてはいけません。
では、なぜこれらの節税スキームを活用しているドクターが多くいるのか? その理由は、「退職金控除」にあります。例えば、3000万を勤続年数30年の方が退職金として受取った場合に発生する所得税は約172万となります。この3000万円を現役時代の所得の高い時期に受け取ってしまうと、最高45%の所得税がかかることになりますので、その差をうまく活用するための仕組みと言えます。
次回から、具体的にどのように退職金の準備を行っていくかの考え方を、医療法人の理事長と個人経営の院長のケース別で解説していきます。
執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部