インタビュー

患者に頼られる「総合内科」実現を目指し 経験とアイデアを駆使して日々努力する

2019.07.21

汐田総合病院 総合内科医:中川 佳子氏インタビュー

ご自身曰く「病院内のお医者さん」と位置付ける「総合内科」の立ち上げに邁進されている中川先生。
これまでの経験を生かし、話し方やコミュニケーション力に関するセミナーを取り入れることを模索するなど、
さまざまなアイデアや可能性を広げて常に患者様を思い続ける中川先生に、
医師を目指したきっかけからこれからのことまでを聞いた。

 

東京での武者修行がより成長させてくれた

― 内科医を目指されたきっかけは?

中川佳子 氏(以下、中川)「私は父が会社員、母が専業主婦という、よくある一般的な家庭で育ったのですが、子供のころに通院していた小児科の女性の先生がとにかく格好良くて。将来は歌手になりたいという夢も抱いてはいたのですが(笑)、現実的に考えて、また母からの『女性だからといって手に職がなければこれからは生きていけない』というアドバイスもあり、『あんなカッコいい先生を目指そう!』と医者の道に進んだんです」

― 先生が推し進めている「総合内科」についてお教えください。

中川「総合内科という言葉ができてまだ一〇年ほどだと思います。私が医者になりたてのころも総合内科という言葉はまだ全然なくて、大学の医局に入ると『第一内科』『第二内科』『第三内科』と、ナンバーでふられている時代だったんです。私自身、『一と二って、なにが違うの?」と戸惑っていました。大学によっても違いますしね。今でこそ内分泌代謝科や消化器内科などに細分化されていますが、当時はどこが何を診るのか、混沌としていたんです。そんななかで近年できたのが総合内科です。ひと言でいうと、例えば整形外科などほかの科に入院している患者様の〝内科的なこと〟を診ましょうという、いわば病院内のお医者さんという感じです。やはり入院患者にはお年寄りが多いので、仮に骨折で入院していても、内臓の病気や糖尿病が悪化したであるとか、原因のわからない熱が下がらないであるとか、そういったことを主に診ています」

― 小児科に憧れた中川先生が、なぜ内科医になられたのでしょうか?

中川「小児科は、診るだけではなく親御様たちとのコミュニケーションがとても大事です。なんといいますか、子供たちと接する〝子供っぽい面〟と、親御様と対話する〝大人な面〟の両方を持ち合わせていないといけない。その部分で、私には向いていないなと感じました。とはいえ小児科に限らず、患者様はもちろん、そのご家族とのコミュニケーションは時代と共に重要になってきています」

患者様に包み隠さず話すことを信条にしています

― 中川先生はどういったことに気を付けて診察されていますか?

中川「まず、包み隠さずに全てを話すということです。仮に誤診があったとしても、全部説明するようにしていますね。隠したことが後々明るみになると、人間の心情としてどうしてもそこをほじくり返したくなりますから。また例えば、ガンが見つかったとして、昔は ご本人に隠していましたが、今の時代は隠すことはしません。それは、医学の進歩も大きく、治らないとされていた病気も、治る可能性が出てきたからです。だからこそ、しっかりとご本人とご家族が病気に向き合い、我々と協力し合って治療に励むことができるように、全てを話すように心がけています」

― 現在の「汐田総合病院」に勤められた経緯をお聞かせください。

中川「四月から御世話になっていますが、以前の病院では、総合内科を推し進めながら外来の患者様も診て…。多忙すぎて、歩きながらお昼ごはんを済ませたこともありました(笑)。そこで、私の思う総合内科の実現に向けて探していたところ、ちょうど総合内科を増やしたいという今の病院と出会ったのです。まだ模索している最中ですが、今までの経験を生かしていければと考えています。先程述べた患者様やご家族とのコミュニケーションという面では、例えばホテルで接客をなさってらっしゃる方を招いてのコミュニケーション講座なども、今後行っていければと思っています」

地域に根ざした診察を長きに渡って続けていきたい

― 最近の病院の勤務体制などでなにか思われることはありますか?

中川「今は一番上の子供が高校生ですが、まだ赤ちゃんだったころを思い出すと、我ながらよくやっていたなと思いますね。夜中でもお構い無しに電話がかかり、休みの日には、子供たちを連れて病院に向かったこともありました。最近は、研修医制度もできましたし、それに合わせ女性医師を支援する制度を取り入れる病院も多くなってきた印象です。例えば時短勤務とか、当直なしとか、そういった動きが子育てとの両立に大いに役立っています。理想としては、複数の主治医制にして、フレックスで勤務シフトを調整できれば医者一人一人の負担はもっと軽減できると思います。もちろん、医師の不足などの問題もありますので、実現はなかなか難しいとは思いますが」

― インベストメントパートナーズとの出会いのきっかけは?

中川「若いころから、税金対策として不動産を持っていたりしていたのですが、子供ができて放置状態になっていたんです。改めて調べると、まったく節税になっていないことに気づきました。とにかく知識がなさすぎるので、税金対策の相談に乗っていただける方を探していたんです。今は節税や資産運用に関して、手取り足取りではないですが(笑)、すごくかみ砕いて分かりやすくご説明いただけるので助かっています」

― 今後の夢や展望をお教えください。

中川「現在の病院で総合内科をきっちりと軌道に乗せるということですね。ゆくゆくは、『中川先生は総合内科の先生だから、あの人に診てもらうといいよ』と患者様にも認知していただいて、頼ってもらえるようになりたいです。また、一応、六十五歳とかで定年はあるのですが、そこから一年ごとの契約で非常勤で働いてらっしゃる先生が多くいます。なかには、多数の病院を掛け持ちして非常勤で働いて、週の全部を勤務で埋めてしまうパワフルな方もいます(笑)。そこまではさすがにできないでしょうけど、総合内科医として、地域に根ざした診察をこれからも長きに渡ってできれば嬉しいですね」

 

汐田総合病院
http://www.ushioda.or.jp/

住所:神奈川県横浜市鶴見区矢向1-6-20
電話:045-574-1011
診療時間:9:00〜、14:00〜、17:30〜
(金曜は午後休診、土曜は午前・午後のみ、夜診は月曜〜木曜)
最寄り駅:JR南武線「尻手」駅から徒歩約9分
診療科目:内科、精神科、神経内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科 ほか

 

■担当コンサルタント
山田 裕也(やまだゆうや)

大阪府出身
[ ●日商簿記1級 ●米国NLP協会™認定マスタープラクティショナー●相続診断士]
クライアントの「痒いところに手がとどく」コンサルタントとなり小さな問題から大きな問題、どんな事でも対応できるチームをご提供しています。
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