新しくなったNISAで賢く運用を
2016.12.22
NISAで資産運用
毎年100万円が非課税で投資可能
まずは、NISA口座の基本的な仕組みについて、おさらいしておきましょう。
NISA口座は、2014年1月からスタートした投資減税。これは、少額投資非課税制度とも言われ、1999年に英国で導入された個人貯蓄口座NISA:Individual Savings Account) を基にしています。ISAの頭にNIPPOの「N」を付け、NISA口座と名付けられました。
この制度が導入されたのは、投資に適用されていた軽減税率が13年末で終了したのが理由のひとつです。それまで株式の売却益や配当金、投資信託の分配金などには10%の軽減税率が適用されていましたが、14年以降は本来の税率である20%となります。
これでは投資マインドが冷え込む恐れがあるため、新たにNISA口座を設定し、非課税で投資ができるようにしたのです。
非課税の対象となるのは年間100万円。これは元本の額で、利益は10万円でも100万円でも非課税になります。つまり利益が出るほど、得をする制度と言うわけです。非課税になる元本は毎年100万円で、非課税期間は5年間続きます。
ただし、すでに株式や投資信託で運用している資産をNISA口座に入れることはできません。あくまでも新たに投資をする資金が対象です。
対象となる投資商品は、上場株式、ETF、REIT、投資信託などで、預貯金や債券は対象外。NISA口座を利用するためには、銀行や証券会社に専用口座を開設することになります。
非課税枠の拡大やジュニアNISAの新設
NISA口座の基本的な仕組みは、紹介したとおりですが、NISA口座は一人1口座が原則で、一度口座を開設してしまうと、4年間は金融機関を変更できない仕組みになっています。
これでは投資家の使い勝手が悪いということで、15年1月からは1年毎に金融機関を変更することも可能になります。たとえば、銀行でNISA口座を開設してしまうと、株式やETF、REITなどに投資ができませんが、1年待てば証券会社に口座を開設し直して、投資をすることが可能になるのです。
また、16年からは非課税枠も拡大される予定。詳細は不明ですが、120万円に拡大される可能性が濃厚と言われています。
さらに、ジュニアNISAの導入も検討されています。これは、20歳未満でもNISA口座が開設できるようにする制度で、非課税限度額は80万円程度と言われています。これは未成年者が自分の資金で運用するのではなく、父母や祖父母が出資して運用することを想定しているもの。よって、18歳までは払い出し制限が設けられる予定です。
ということは、父母や祖父母にとってみれば、自分のNISA口座に子や孫のNISA口座を合わせ、年間200万円までは非課税投資ができるのと同じことになるわけです。現在の100万円と比べれば、非課税枠が2倍になる計算です。
ジュニアNISAは16年からの予定ですが、現在も贈与を利用してNISA口座で運用する方法はあります。子どもや孫が20歳以上であれば、現在でもNISA口座を開設することは可能です。
贈与税には、年間110万円の非課税枠がありますから、100万円を子どもや孫に贈与してNISA口座で増やすことも可能だというわけです。REITなどは比較的分配金が安定していますし、株式の中にも高配当銘柄がありますから、リスクを抑えながら資金を増やすこともできるのです。
非課税で投資ができるNISA口座をぜひ活用しましょう。