制服に個性や好みの尊重は重要?~変わってきている女性の意識~
2019.02.12
服装選択の自由や個性の尊重で応募者が増えた事例から学ぶ採用改革
接客改善業務の仕事で、全国さまざまな職種の店舗を1500以上回っていると、女性の制服や服装に対する意識、そして考え方についても触れる機会があります。
また業界は違えど、個性や好みを尊重して制服を選択性にしたりユニセックス系のもので統一したりすることで、いじめが減ったり女性の応募者が増えたという例もあります。
今回は、服装に対する世間の動向や具体的な改善事例をお伝えします。
(機密保持契約などの都合上、企業名は伏せさせて頂きます。ご了承ください)
-変わってきている女性の意識-
ここ数年、若い女性の間で「ワークマンプラス」のウェアが人気となっています。
ワークマンプラスはアウトドアウェアの専門店ですが、もともとは、主に建設作業員や工場で働く作業員の作業服を販売している「ワークマン(WORKMAN)」です。
ワークマンの作業着が、釣りや山登りなどのアウトドアにも使えるとネットで話題となったのがキッカケで大人気に。優れた撥水効果なども絶賛されています。
防寒や清涼感といった機能性を求める女性は近年増えており、このような変化が、実用性を兼ね備えつつもユニセックス感のある服装が好まれる背景でもあります。
では、女性がユニセックス系の衣服を好む背景には、機能性のほかにどういった理由があるのでしょうか?
-患者からのセクハラ-
ご年配の方の中には、「看護師の制服といえば、ナース服」というイメージを持つ方も多く、まだまだ患者からのセクハラやセクハラまがいの行為は多いのが現実です。
入院病棟のない歯科でも、医師の見えないところで卑猥な言葉を耳打ちされる、お尻や胸を自然な装いでタッチされるということは多くあります。
ナース服が淡い色のため、下着やインナーが透けて見えることもあり、制服自体に嫌悪感を持っている女性も少なくありません。
好んでセクハラをされているような女性はごく僅かでしょうから、自分の身を守るために肌の露出が少ない制服を好む女性が多いのも納得できます。
このような背景から、医療機関でもパンツスタイルやユニセックス感のあるスクラブを好んで着る女性が多くなっているのです。
-大手企業における服装の自由化-
こちらは、ずいぶんと多くのビジネスパーソンが実感、そして実践するようになったのではないでしょうか?
会社員といえば昔は、スーツにネクタイでしたが、いまではジャケットにパンツやスカートといった格好が主流になっている業界も多くあります。
こういった服装の自由化は、TPOに相応しいものという前提はあるものの、男女関係なく個性や好みを尊重したものであり、作業効率や行動範囲が広がるというメリットもあります。
スーツよりも、ラフな格好で仕事ができる企業を選択する傾向が継続しており、スーツ以外で勤務する企業は増えつつあります。
-女性の心を掴んだ作業着-
男性の割合がほぼ100%に近かった建設業界にも、徐々に女性が参入をはじめ、いまでは珍しくなくなりました。
女性が男性ばかりの職場に足を踏み入れることができたのは、経営者やリーダー的存在の上司たちが女性に配慮した職場環境を作ったからでもあります。
トイレを清潔に保ち、事務所内のゴミや雑誌をきれいに片づけ、そして女性たちの声を聴きながら、女性が着やすい制服のデザインやカラーを取り入れた企業も少なくありません。
また、ワークマンやワークユニフォームなどでも、機能性とともに、男女が着用可能なデザインのものが増えています。
-スタッフの意識調査が可能な無料ツール-
さまざまな企業に行って気づいたことは、意外にも「制服が好きだからここを選んだ」など、女性の制服に対する意見をよく耳にしたことです。
思っていることを口に出せない女性も多いので、一度全員提出を条件に、無記名でいろいろな意見を募ってみてはいかがでしょうか?
最近では、無料(プランにより有料)で簡単にアンケートを作成できるツールがたくさんあります。
その中でもおすすめなのが、アンケート調査で有名な株式会社マクロミルのアンケートツール「Questant」と、2018年にグッドデザイン賞を受賞している、formrun(フォームラン)です。
ぜひ、アンケート作成時の参考になさってください。
Questant 参考URL:https://questant.jp/
formrun(フォームラン) 参考URL:https://form.run/ja
-まとめ-
どの業界でも、優秀な人材の確保や応募者の増加のために、経営者やリーダーたちはあの手この手を実践しています。
世間の服装事情や女性の制服に対する意識、そして考え方が変わりつつあるいま、個性や好みを重視した制服選択制や、ユニセックス系の制服を導入することもひとつの方法と言えます。
まずは、今回紹介したような無料アンケートツールを使って、スタッフ向けアンケートを作成してみてはいかがでしょうか?
●接客改善コンサルタント 山内良子
2008年頃から接客改善業務に携わり、関東圏や関西圏を中心に全国津々浦々を飛びまわる。
お客様への対応やスタッフのチームワークや業務に関するよい点・悪い点だけでなく、具体的な改善点や指導後からすぐにでも使える即効性のある提案を心がけている。接客改善に携わった店舗は、現在までで1500店舗以上。接客コンテストなどの審査員を務めることもある。