レジャー

夏のユングフラウヨッホで自然に親しむ

2019.07.18

雄大な山並みを眺める!スイスアルプスの旅

スイスの中央部・ベルナー・オーバーラント地方にあるユングフラウヨッホは、「スイスアルプス ユングフラウ – アレッチ」として世界遺産に登録されています。ユングフラウはドイツ語で「乙女」、ヨッホは「山の鞍部や肩」をあらわす言葉です。
富士山と近い高さまで鉄道で行くことができるため、あまり体力がないお子さんからお年寄りまで、気軽に山を楽しむことができます。

・ヨーロッパ最高地点まで行くことができる鉄道

ヨーロッパで一番高い位置まで上れるユングフラウ鉄道(JB)は、1912年に開業しました。ヨーロッパで最高地点にある終点駅・ユングフラウヨッホ駅(標高3454m)には、複合施設・トップ・オブ・ヨーロッパが併設されています。
ユングフラウ鉄道は、クライネ・シャイデック駅(標高2061m)からユングフラウヨッホ駅までを走る9.3kmの路線で、長いトンネルがその3/4(アイガーグレッチャー駅~ユングフラウヨッホ駅間)を占めています。
2017年からは、バリアフリー仕様で、以前より約15分スピードアップした新型車両を導入。
新型車両の登場により停車しなくなってしまったようなのですが、トンネルの中にあるアイガーヴァント駅にはアイガー北壁が見られるガラス窓があり、そこからの景色を「この垂直に近い崖をよく登山者たちが登ることができたな」と感心しながら眺められます。アイガー北壁は、医者である今井道子さんが、1969年に日本女性として初登頂したことでも知られています。
同じくトンネル内にあるアイスメーア駅には数分停車するので、ガラス窓からアイガー東山稜やフィッシャー氷河を眺めることができます。
クライネ・シャイデック駅までは、グリンデルワルト駅またはラウターブルンネン駅からヴェンゲルンアルプ鉄道(WAB)で向かうことができます。

・ユングフラウヨッホでの楽しみ方

クライネ・シャイデック駅からアイガーグレッチャー駅までは、線路の両側に緑が青々とし、お花畑が広がっているのですが、ユングフラウヨッホ駅からエレベーターを使って地上に出ると、そこには一面の銀世界が広がります。

ヨーロッパで最も標高の高い(3571m)展望台であるスフィンクス展望台からは、天気が良ければ、ユングフラウやメンヒ、アレッチ氷河を眺めることができます。
最近は、ライブカメラで天候をチェックできるようになっていますので、事前にこちらと天気予報を見ていただき、ベストなタイミングで訪れることをおすすめします。
https://www.jungfrau.ch/en-gb/
夏でも雪の上を歩くことができるプラトーテラス、氷の彫刻が並ぶアイスパレス、ユングフラウ鉄道開業100周年記念で登場したアルパイン・センセーション、スキーやそり遊びが楽しめるスノーファンートップ・オブ・ヨーロッパ、スイスチョコレートヘブンというリンツ(Lindt)のショップなど、見どころいっぱいのユングフラウヨッホ。富士山5合目郵便局との姉妹郵便局もあるので、日本でおなじみの赤いポストから記念の絵葉書を送るのも良いかもしれません。
景色が素晴らしく、ついつい動きたくなってしまう場所ではあるのですが、約3500mの高地にあるため、高山病にはご注意ください。また、室温がマイナス2度のアイスパレスもあるので、暖かい服装で訪れることをおすすめします。

・ユングフラウヨッホ周辺のハイキングコース

ユングフラウヨッホ駅からクライネ・シャイデック駅に戻る途中、お時間があれば、アイガーグレッチャー駅で下車して1駅分、ハイキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
アイガーウォークと呼ばれるこのハイキングコース。約2.5kmのコースで、所要時間は約50分です。
コースの途中にあるローヒャーフリューには、現在は博物館となっている、ミッテルレギ小屋が移築されています。この小屋は、アイガー東山稜(ミッテルレギ稜)にガイド3人と初登頂した、槇有恒(まき ありつね・ゆうこう)の寄付金を使って建てられました。
コース上には、アイガーやメンヒが湖面に映ることで知られている貯水湖・ファルボーデンゼーも。その湖畔には、アイガー北壁登攀の歴史を学ぶことができる資料館があります。
アイガーウォークには、アイガー氷河やお花畑、放牧されている牛などを眺められる場所もあるので、のんびり散策してみてください。
アイガーウォークの終点・クライネ・シャイデックは、ヴェンゲルンアルプ鉄道への乗換駅として知られていますが、駅周辺からはユングフラウ、アイガー、メンヒの山々をすべて見渡すことができます。
電車を乗り継ぐだけの方も多いのですが、近くにはレストランもいくつかありますので、お時間をとって、景色をじっくり眺めるのも良いでしょう。
クライネ・シャイデックには、何回かスイスを訪れ、「アルプスの谷 アルプスの村」などの本を残した新田次郎の記念碑も建てられています。
アイガーウォークでは少し物足りないと思われる方には、アイガーグレッチャー駅からヴェンゲルンアルプ鉄道のアルピグレン駅まで約8km、約3時間の距離を歩く、アイガートレイルと呼ばれる中級のハイキングコースがおすすめです。
アイガー北壁の真下を通るコースは、迫力満点。雪渓や砂利道など少しスリリングな場所も通るので、ハイキングシューズやトレッキングシューズを履いて訪れてみてください。
グリンデルワルトにある日本語観光案内所では、日本人ガイド付きハイキングツアーも開催しているので、そのツアーに参加してハイキングするのも良いかもしれません。

日本にもアルプスと呼ばれている場所はありますが、やはりスイスに行って見ると、本場ならではのスケールに圧倒されます。ユングフラウヨッホ以外にも、ベルナー・オーバーラント地方には眺めの良い場所がたくさんありますので、ベストな天気の日に山を楽しむため、日程に余裕をみていかれることをおすすめします。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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