インタビュー

地域密着はもちろんのこと、日本の歯科業界全体を思案

2020.02.20

北歯科医院 院長:大前 正範氏インタビュー

さまざまな歯科医院での勤務医経験を経て、故郷に自分自身が思い描く医院の開業を実現した大前 正範先生。
“良い歯で良い健康を”をモットーに、地域民の健康に貢献することを信条とする先生だが、未来へのビジョンなどをお聞きすると、その夢はもっと壮大であることが分かった。

 

歯科医=嫌われ者というイメージは近い将来に必ず払しょくされる

―歯科医になられたきっかけは?

大前 正範先生(以下、大前) 「うちは祖父の代から3代続く歯科医家系で、両親も歯科医でした。ですので、よく『先生は幼少期から歯科医を目指されていたんですか?』と聞かれるのですが、実はまったく考えていませんでした。というのも、小さいころから歯科医という職業を目の当たりにして〝嫌われ者〟というイメージを抱いていたのです。『お医者さんは優しいけど、歯医者さんは怖い』と世間からは見られていて、将来この職に就いても報われないな…と漠然と考えていました(笑)」

―では、いつから歯科医を目指されたのでしょうか?

大前 「医者になるか、機械が好きなのでエンジニアになるか、と考えていたのですか、大学進学の時期に、ちょうどレーザー治療が歯科業界で注目され始めた頃だったんです。もともとの機械好きもありましたので興味があり、大阪歯科大学に進みました。同大学院では主にレーザー治療の研究をしていましたが、まだまだ技術的には追いついていないにしても、いずれはレーザーでの治療が中心になるかもしれません。ですので、〝ドリルの削る音が嫌だ〟、などの幼少期に感じた〝歯科医は嫌われ者〟というイメージは近い将来に払しょくされると考えています」

―大学院ご卒業後は、どのような道を歩まれたのでしょうか?

大前 「大学院卒業後は、大阪、奈良、兵庫のエリアで、3つの医院を掛け持ちで勤めていました。それぞれの院長の人柄や医院の特徴も違ったので、例えば、衛生士が活躍し、チームで医療することの大事さや、従来の〝歯医者〟のイメージを無くし、エステ的な雰囲気を醸す内外観など、自分で医院を開業する際に参考にできるヒントを多くもらえました」

―そのほか、開業される際のこだわりをお聞かせください。

大前 「審美歯科としても力を入れていますので、よりデリケートな話もしやすいようにカウンセリングを大事にし、専用のカウンセリングルームを用意しています。また、お年寄りには転んでしまうリスクがあったり、若い女性には煩わしい靴やブーツの脱ぎ着を無くすために、院内はすべて土足でも大丈夫なバリアフリーにしています。ご家族で来院される方も多いので、例えばお母さんが治療されている個室の部屋にベビーカーも入れられることは、お子さんが泣き出しても安心だと喜ばれていますね」

 

「自分のこれからの生き方を考えると若い人材の育成は必須です」

人生100年のこの時代、自分の生き方や働き方の見直しも絶対に必要

―先ほど、〝チームで医療することの大事さ〟とおっしゃられていましたが、スタッフ教育で心掛けてらっしゃることはありますか?

大前 「教育費は相当使っている方だと思います。例えばスタッフが『今度行われる●●のセミナーに参加したい』と申し出てくれば、費用は全額支給します。このように、こちらが〝どんどん学んでほしい〟という姿勢を見せることで、スタッフのモチベーションも上がり、仕事に対しても責任感が出て積極的になってくれています」

―インベストメントパートナーズとのお付き合いのきっかけを教えてください。

大前 「祖父や両親の時代は、例えば治療をしてお金を郵便局に預ければ利子でどんどん増える…といった時代。今はそうじゃないですし、ましてや、歯科業界自体が先細りになっている。ですので、自分で勉強し、海外の投資信託をやってみたりしましたが、そういった動きをフォローしてくれるパートナーを探していたんです。さらに、投資だけではなく、家の購入や将来的な話も親身になって相談に乗っていただいています。まだ3年くらいですが、満足できるお付き合いをさせていただいています。これからが楽しみですね」

―今後の展望や夢をお聞かせください。

大前 「今年から始まった、全国から30名の歯科医を選別し、育成していくというプロジェクトに出資しています。自分の地域を盛り上げることも大事ですが、日本の歯科業界自体を盛り上げていきたい。そうなれば、次代を担う人材の育成は必須だと思っています。私は60歳で歯科医は引退し、そこからは人材育成、他の歯科医のバックアップをやって行きたい。〝人生100年の時代〟と言われていますが、自分の生き方や働き方も見直さないといけない時代だと感じています。だからこそ、今のうちに実現できる知識の獲得や人材育成の成功例は、私の次の人生の糧になると思っていますし、今を生きるモチベーションにもつながっています」

▲「スタッフの自立ということも常に考えています。特に女性が活躍していく社会になっていく中で、出産・子育てをしながら仕事をできる環境の整備というのは、どの職種においても急務であると思います」と大前先生

 

歯科医院とは思えないオシャレでモダンな外観。「とにかく、従来の歯科医院のイメージを払しょくしたかった」(大前先生)

 

診察室は完全個室。「内科は個室なのに、歯科医院はパーテーションで仕切られているだけというのは問題」と大前先生

 

インプラントや重度歯周病治療に欠かせない歯科用CT、精密な根管治療に役立つマイクロルーペなど、最新設備を導入

 

岡山県津山市という場所柄、車での来院も多い。ゆえに、駐車スペースを12台分用意していることも喜ばれている

 

【北歯科医院】

住所:岡山県津山市中北下1269-9
TEL:0868-57-2025
診療時間:平日9:30~13:00、14:30~18:00
(土9:30~13:00、14:30~17:00)
休診日:木曜・日曜・祝日
スタッフ数:10人
1日の来患数:50人
ユニット数:7台

 

■担当コンサルタント
山田 裕也(やまだゆうや)

大阪府出身
[ ●日商簿記1級 ●米国NLP協会™認定マスタープラクティショナー●相続診断士]
クライアントの「痒いところに手がとどく」コンサルタントとなり小さな問題から大きな問題、どんな事でも対応できるチームをご提供しています。
コンサルタント紹介はこちら

 

458件の開業医を成功に導いた成功事例集