ファイナンス

海外と日本、そして機関投資家と個人投資家の間にある大きな差

インデックス投資

2017.05.29

インデックス投資とは?

2016年アメリカで、インデックス投信に5048億ドルが流入した一方、運用者が銘柄を選別するアクティブ型から3401億ドルが流出するなど、近年、指数に連動した運用をするインデックス投資の勢力が世界的に増大しています。

また「低コストのインデックス・ファンドは、投資家の大多数にとって、最も聡明な投資だ」という世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主でもあり世界有数の投資家であるウォーレン・バフェットの言葉も有名です。

上記のように、「インデックス投資」もしくは「インデックス投信」という言葉を耳にする機会は増えているかと思いますが、皆様の中にもインデックス投資という言葉は聞いたことがあるけれどもよくわからない、投資について勉強してみたいが何から始めたらいいかもわからないという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、そんなインデックス投資ついて解説します。

□インデックス投資とは

日本株投信においても、上場投資信託(ETF)を含めると8割がインデックス型です。ただし、ETFを保有している大半は日銀や機関投資家で、日本の個人投資家のみに焦点を当てると、アクティブ投信の保有が大半という現状があります。それには、手数料が低いこと、つまり銀行や証券会社の利益が少ないが故に、個人に対する積極的な販売に繋がっていないという背景があります。

日経平均やTOPIXなどの指数をニュースや新聞でよく目にされているかと思いますが、これらは日本の株式市場全体の動きを見るのに投資家が使う指標で、日本の株式市場の平均値を表しています。それらの指数に連動し、その市場と同じ値動きを目指す運用方法のことインデックス投資と言うのです。

そのうち、上場されているものがETFで、インデックス投信と同様に安定した運用が期待でき、インデックス投信以上に手数料が安いものもあります。一般的には、積み立て型の投資であれば、買付け手数料が低いインデックス投信の方が、一括投資であれば、再投資はできませんが、信託報酬が低いETFの方が有利と言われています。

このインデックス投資は、アメリカではメジャーな運用方法なのですが、日本では一昔前までマイナーな運用方法でした。しかし、少しずつですが、インデックス投資の合理性に気づき始め、年々増加傾向にあります。

□インデックス投資のメリット・デメリット

インデックス投資の最大のメリットは、安価な手数料で分散投資ができることです。インデックス投信・ETFの手数料はアクティブ投信に比べると、買付け手数料が無料のインデックス投信も多く、信託報酬もファンドマネージャーの手間が少ないため低額に抑えることができるのです。また、単一銘柄ではなく分散投資させながら、少額から投資を始めることが出来るという手軽さも魅力でしょう。分散投資は投資の勝率を上げるためには押さえておくべきポイントですので、これだけでもインデックス投資をするメリットと言えます。ETFは数万、数十万単位の一括投資が、投信は1万円程度~の少額投資(積み立ても可)が可能です。

また、TOPIXや日経平均等に連動する商品であれば、その基準価格を日々のニュースや新聞から容易に知ることができることも大きなメリットです。特に初心者の方にとっては、日常生活の中で情報が得られる点は、投資に慣れるという観点から見ると入りやすい運用手法と言えるでしょう。

そして、短期投資であれば、市場平均を上回る投資をめざすアクティブ型の方が利益を出しやすいと言われていますが、長期的な視点で見ると、半数以上のアクティブ投信がインデックス投信より運用実績で負けているという事実があります。これは最大のメリットである手数料の差がもっとも大きな要因と言われています。

逆にデメリットとしては、大きな利益は期待できないことです。得られるリターンは市場平均から運用コストを引いたものなので、市場を目指して運用するインデックス投資は個別株式投資や先物取引とは違い、大儲けを期待できる投資とは言えないのです。

以上のことから、インデックス投資は短期投資ではなく、10年20年を見据えた長期投資に向いているといえます。投資信託やETFを利用してインデックス運用を行う投資家は、長期投資によってアクティブ投資の成績を大きく上回るという点に注目してインデックス運用を行っています。

退職後の長い時間を豊かに暮らしていく為には、少しでも早いうちからしっかりマネープランを立てることが大切です。本コラムが皆様のマネープランを立てる手助けとなり、投資を考えるきっかけとなれば幸いです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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