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高額療養費制度の『世帯合算』『多数回該当』とは?

高額医療費制度

2016.07.04

医療費の高額療養費制度Vol.2

前回、健康保険の高額療養費制度の概要について解説しましたが、その制度には更に自己負担を軽減することができる特例が存在します。今回はその「世帯合算」「多数回該当」という仕組みについて解説していきます。

まず、「世帯合算」とは、一世帯で同じ医療保険に加入している家族がいる場合、1ヶ月(1日から月末まで)の間に、その家族が払った医療費の合計が高額療養費の自己負担限度額を超えたときは、超えた金額が戻ってくるという仕組みです。

その注意点としては、

○70歳以上の人であれば、支払った自己負担額の医療費をすべて合算することが可能ですが、70歳未満の人の場合、1ヶ月の医療費の自己負担額(医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来にわけた、各々の1ヶ月の支払い)が、21,000円以上のものに限り、合算可能である点

○薬代は、処方箋により調剤薬局で支払った場合でも、その代金を、処方箋を交付した医療機関の医療費に含めて計算することができ、薬代と医療費の合計金額が1ヶ月21,000円であれば、世帯合算の対象となる点

○あくまでも同じ医療保険に加入しているかが焦点となり、共働きの夫婦で別々の医療保険に加入している場合や後期高齢者医療制度の被保険者である親と歯科健康保険組合の子どもが同居している場合には、世帯合算の対象にはならならないが、被保険者である親と被扶養者の子どもなどが離れて暮らしていても、世帯合算の対象となる点

などが挙げられます。

次に、「多数回該当」とは、直近の12ヶ月間に、3回以上の高額療養費の支給を受けた場合は、4回目からその月の自己負担限度額が引き下げられるという仕組みです。

どのように上限が変わるのかは、下記リンク先のPDF、4ページ~5ページ目の表をご覧下さい。

▼高額療養費制度を利用される皆さまへ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/100714a.pdf

この「多数回該当」にも注意点があり、同一保険者・同一被保険者で適用されるという点です。
例えば、歯科医の先生が健康保険組合を脱退して国民健康保険に加入した場合や、病院を退職して被保険者から家族の被扶養者に変わった場合などは、「多数回該当」の月数に通算ができません。
また、通院だけ(個人ごと)で自己負担限度額に該当した場合も、その月は多数回該当の月数に含みません。

もちろん、入退院を繰り返したり、家族が同時に病気や怪我をしてしまったりしないに越したことはありませんが、私達が加入している健康保険には、そんな万が一のための備えが付いているのです。
その保障内容を知っておくことで、民間の保険に加入する際の入りすぎを防ぐこともできますので、この機会に今ご加入されている健康保険の保障内容を確認されてみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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