開業医のミカタ

目的や出口を設定することで投資のリスクは軽減できる!

2018.10.01

不動産投資のミカタ

近年、スルガ銀行の不正融資問題や空き家問題など、不動産に関するニュースを耳にする機会が増えたように感じます。
不動産投資に関する書籍も多くありますが、ある書籍は田舎のアパート経営を勧め、また別の書籍には都市部の新築ワンルームマンションが良いと書かれているなど、一言で「不動産投資」といってもその内容は様々です。
今回はそんな不動産投資を検討する上で知っておきたい基本的な考え方をお伝えします。 

なぜ業者によって勧める商品が違うのか?

世の中にある不動産会社を見回すと、A社はアパートのみ、B社は中古物件のみ、C社は商業用のビルのみと限られた種類の不動産を扱っていることが多いことに気付きます。
これは不動産会社だけの話ではなく、保険会社は保険だけ、証券会社は株や投資信託だけと、金融商品を扱う人や会社の多くが商品ありきのセールストークを繰り広げています。
あなたには保険が一番合っていますよという証券マンや、不動産を勧める生保レディーに出会うのは、宝くじで1億円当てるよりも難しいかもしれません。

このように、特定の商品を売りたい人が、その商品を売るのに都合のいい情報を集め、顧客のニーズや属性に関わらず、同じような商品を勧めることはよくある話です。
それが故に世の中にある商品の数だけセールストークが存在しているといっても過言ではありません。

 

不動産投資で失敗する人の特徴とは?

不動産投資で失敗したという方のお話を伺うと、投資する前に目標や出口がきちんと出来ていなかったり、そもそもその目的と手法が合っていなかったりすることがよくあります。
「営業マンの熱意に負けて買ったんです」「周りの人もやっているので安心かなと思って…」といったお話を聞くことも少なくなく、中には、節税できると聞いて買ったのに、数年後にはむしろ増税になってしまったということもあります。
こうなると、投資は恐い、騙されたと感じてしまい、次の一歩が踏み出せなくなってしまっても仕方ありません。

そうならないためのコツは、事前に目的や許容できるリスクを明確に設定しておくことです。
そうすれば自ずと、投資対象は絞られ、リスクを軽減するための策を打つことができ、メリットを享受できる可能性を高めることもできるのです。

 

目的に合わせた不動産の持ち方

【新築/中古】【アパート/マンション】【区分/1棟】【都心/郊外】など投資用不動産には多くの種類があり、不動産投資で成功したAさんの投資手法を、同じようにBさんが行ったとしてもそれが成功するとは限りません。
それぞれの不動産には向く人と向かない人がいて、成功か失敗かの基準も人によって異なるためです。

例えば、長くキャッシュフローを取りたい人に中古の木造物件は向いていませんが、償却期間の短い減価償却資産(耐用年数を超過した木造不動産は四年償却)を活用すれば、目下の所得税対策にはなるため、直近の税金が減れば成功だと考える人には、その目的を達成する手段となります。
また、購入の方法も、「就業不能時の収入保障」「相続対策」を目的とした場合は(前者は団信あり、後者は団信なしで)、なるべく頭金を入れずに融資を受けて物件を購入することで、目的が達成できますし、「まだ信用が低くて良い融資条件がもらえなかった」「数か月分の空室リスクを許容できない」といった場合には、最初は現金で購入することでキャッシュフローを確保し、更にその物件を担保に入れて、金融機関から良い融資条件を引き出すといった戦術も生きてきます。

 

不動産投資ではなく不動産賃貸業

マンション投資、アパート投資とよく言われますが実際にはそのほとんどが不動産賃貸業(大家業)に当たります。
バブルの頃の土地転がしのように売買を繰り返して収益を取る場合は投資と言えるでしょうが、反復継続して売買を行う場合は宅建業となり免許が必要となります(不動産賃貸業の場合は許可も免許も不要)。

 

不動産賃貸業のリスクとは?

不動産賃貸業の最大のリスクは、「空室リスク」です。
不動産賃貸業を営む上で、建物や設備の経年劣化は避けられませんが、最初にどのような物件を選ぶかと、その後どのようにメンテナンスをしていくかで、その空室率や家賃下落率が大きく変わってきます。

 

空室リスクを回避する「立地」「物件」「管理」

空室リスクや家賃、物件価格の下落リスクを軽減するためには、まず、その物件が建つ場所について知ることが大切です。
駅から徒歩○分といった条件ももちろん重要ですが、今後の人口予測や、近隣の企業・学校に通う人数が分かれば、将来的にも需要が見込めるかどうかがわかります。
そして、その地域に住む人の属性(単身者が多いのかファミリーが多いのか、どの程度の所得層の人が多いのかなど)がわかれば、その地域で需要の高い物件のグレードが明らかになります。
例えば、年収300~500万円程度の単身者が多く住む地域では、家賃15万円の1LDKより、家賃7万円の1ルームの方が、需要が高いとわかるのです。

不動産王であるトランプ大統領もこう言っています。
「不動産は立地、立地、立地!」

 

誰に管理を任せるかでリスクは変わる

物件の価値を保つためには、適切なメンテナンスと、適切な入居付けが必須です。
同じ建物内の、同じ間取りの部屋でも、そのメンテナンスや管理の状態によって家賃や物件の売却価格に10%以上の差が生まれることも珍しくはありません。

例えば、入居を付けてくれる業者も人ですので、やはり普段良くしてくれる人が管理している物件は優先して紹介したくなるものです。
そういった人の心理的な要因によっても、価値は変動し、数万円でできるリフォームを行うことによって、月々の家賃を引き上げることに成功した事例なども存在します。

 

まとめ

多くの方が安全だと考える銀行預金にも「インフレリスク」などのリスクが存在するように、リスクのない投資や金融商品は存在しませんが、事前に目的や出口を明確にし、リスクを理解し、信頼できる人に管理を任せることで、そのリスクを軽減させることはできます。
「何が自分には向いているのだろう?」と迷われた際には、投資をすることで何を得たいのかから考えてみてください。

■プロフィール
吉田 奈央(よしだなお)

31歳 兵庫県出身
[ ●2級ファイナンシャルプランニング技能士 ●宅地建物取引士]
大学卒業後、某地方銀行に5年勤務した後、2014年インベストメントパートナーズ入社。星の数ほどある金融商品の中から、将来ビジョンの実現のために必要なものが選択できる「資産形成の検討環境」を提供したいという想いを持って仕事をしています。