頭でっかちな患者を納得させる「魅せる」パフォーマンスとは!?
2018.06.13
メンタリストDaiGoに学ぶ経営論-心理学は素晴らしい武器となる-
そして、ごく身近にある問題を解決する方法や日常に活かしやすい内容を、よりやさしく提示してくれたことです。このようなDaiGo氏のパフォーマンスはもちろんのこと、同氏の心理術、名言からは多くの経営論を学ぶことができます。
頭でっかちな患者を「魅せる」パフォーマンスで納得させる
情報があふれる現代社会において、頭でっかちな患者に悩む医療従事者も多いようです。
パソコンにスマートフォン、タブレットなどなど、何か分からないことがあればすぐに調べられる機器が、ごく身近にあるため、病名を告げられた場合や、気になる症状があった時にインターネットを通じて病名や症状を調べる人が増えているのです。
ただ、インターネット上には真偽が怪しいものや、大袈裟な表現で不安を煽っているような情報も多く存在します。そのような情報過多な世の中では、医療従事者とのコミュニケーション不足が発生すると、例え診察や治療方針が正しくても、患者には不信感が芽生えてしまいます。その患者がインターネットに不信感を書き込むことで、クリニックに悪評がたち、経営の危機に陥る可能性もあるのです。
一定数の悪評は避けられないとしても、円滑で安定した経営のためには、DaiGo氏のパフォーマンスのように「魅せる」ことが必要不可欠だと言えるでしょう。
ここで言う「魅せる」パフォーマンスとは、決してショーのように派手なものを指しているのではなく、DaiGo氏の行っているパフォーマンスの中身を真似ることを意味します。つまり、DaiGo氏のパフォーマンスが、ごく身近にある問題を解決する方法や日常に活かしやすい内容をやさしく提示したように、患者の症状や日常生活の支障度に寄り添い、解決法や治療方針をきっちりと伝えるのです。
簡単なようですが、患者と医療従事者の知識には雲泥の差があります。
DaiGo氏が、「有能な人は、難しいことを簡単に説明して価値を高める」と言っているように、有能な人ほど難しい言葉を簡単に説明し、相手の理解を得て価値を高めるものです。
相手が説明する物事の内容を理解できなければ、そこから何も生まれません。患者がしっかりと理解できるように説明し、患者の心に寄り添う、これこそが医療の上でおこなう「魅せるパフォーマンス」と言えるでしょう。
「感謝タイム」でスタッフの士気の向上を図る
DaiGo氏は、心理学者のロバート・エモンズとマイケル・ロッカー氏の実験結果を挙げ、1日を振り返り、その日にあった嬉しかったことや楽しかったことに感謝することで、人は人生に対して前向きでポジティブになり、幸福度が上がることを伝えています。
その上で、スタッフの人たちと「1日に1分~2分の感謝タイム」を作ることを提案しています。更に、感謝タイムを習慣化することで、ポジティブな気持ちや幸福度が持続し、イライラの解消や他人への感謝の気持ち、優しさや思いやりにもつながると説いています。そして、精神が安定することにより、不眠症の改善やチームへの協力精神も、より強まるのです。
その日起こった出来事に対して、その時点では「嬉しい」「ありがとう」という気持ちになるものの、1日を振り返り、深く感謝することが習慣化している人は多くないでしょう。この方法は、経費もかからず簡単で、そして何より、人が人にやさしくなれる方法です。難しい取り組みをする前に、試してみる価値がありそうです。
このような心理学の実験結果や提案を実践するメリットは、リスクが少ないということです。お金をかけなくても実施することができ、かつ「人が人に良い影響を与える」ものが多いことも特徴だと言えます。
やはり「人」は、クリニックの経営に欠かせない要素です。スタッフ同士が協力し合い、笑顔で勤務し、励まし合う良い環境で働くことで、優秀な人材の確保がなされ、余計な求人や教育にかける経費も少なくて済みます。また、スタッフの心にゆとりが生まれることで、患者への目配りや声かけにもつながる場合もあります。
まとめ
メンタリストDaiGo氏の、心理学を通したパフォーマンスや名言が教えてくれるのは、「心理学は素晴らしい武器となる」ということです。同じものでも、魅せ方によっては印象が大きく変わり、他との差別化を図ることで特別なイメージを与えることができます。
クリニックも同じで、建物や病室、受付の雰囲気を科に合った雰囲気にすることや、独特の雰囲気にすることが印象の変更や差別化を図ることにつながります。また、その場に合った「魅せるパフォーマンス」を行うことも重要となります。
情報を、説明を聞く側がわかるレベルで提供し、理解させてあげることで「説明したことの価値を上げる」こと、患者の心に寄り添うことで、より患者が魅力的に感じる医院となるのです。
いくらテクノロジーが進歩しても、経営を円滑に導くのは、人の心理なのかもしれません。