現在系の質問で人材流出の悩みを未然に防ぐ
2018.06.06
ゲシュタルト療法を活用した経営術
先述の質問をゲシュタルト療法に則って言い換えると「○○な対応をしたことに対して、今どう思っているのか」「○○しなかったことを鑑みて、今どう感じるか」となります。このように質問することで、失敗した理由や原因を追及するのではなく、「失敗に対するどのように感じているのか」「今の自分ならどのような行動を取りたいのか」など今現在の考えや思考を確認し、視野を狭めることなく、現時点を見据えて包括的で主体的な回答をすることができるようになるのです。
しかしながら、急に現在に焦点を当てた質問をするのが難しい場合もあることでしょう。その際には、指導時にワークシートを用いるのも有効な手段です。紙に書くことで思考や感情を整理させることができ、自らの考えや今後の方針を明確に見据えることが可能だからです。心理学において思考を紙に書き出す方法は感情筆記法と言い、心の浄化作用や思考の整理に役立つことで知られています。
ワークシートを用いる場合には、過去の出来事に対する今の自分の感情や学びえたこと、今思い浮かぶ今後の対策と優先順位などを項目別に回答させます。自ら気づきを促進するには、白紙を項目ごとに用意し、ブレーンストーミングの要領で書くように指導することを推奨します。今の感情や思考などを瞬間的に良し悪しで判断させずに、紙に書き出させることで自ら洞察し、答えを導いていくのです。
このように、ゲシュタルト療法を取り入れることで、従業員への注意を促す際に、表面的な回答ではなく主体的な考え方や皆瀬円策などを回答する力を育むことに期待できます。人間同士の不調和や意見の衝突において、今ここに焦点を当てて自ら答えを導き出すことで、広い視野で物事を見る力を育み、短絡的な離職を阻止することにも役立つと考えられます。皆様も、過去に囚われず、「今ここ」に焦点を当てるこの方法を試して見られてはいかがでしょうか?