MANAGEMENT

自動車王ヘンリー・フォードの企業理念に学ぶ労働観

2018.04.11

労働に対する考え方が経営を変える

外を見渡せば、いたるところに自動車が走っているのを見ることができることでしょう。昔は馬車が走っていましたが、いまでは馬車に代わって自動車が街を走っています。このような車社会を作ったのは、ヘンリー・フォードという人物です。

フォードはアメリカの自動車会社フォード・モーターの創立者で、自動車王として知られていますが、アメリカの労働のあり方を革新した人物としても有名です。今回はそんなヘンリー・フォードの成功と、その背後にある労働観についてご紹介します。

自動車王ヘンリー・フォードの経営者としてのスタート

ヘンリー・フォードは1863年、移動には馬車が主流で、自動車は大変高価なもので、一部の貴族や大富豪しか所有することができなかった時代にアメリカで農場の子供として生まれています。

フォードは幼少期の頃から機械が好きで、10代からエンジニアとして働き始め、1891年にはトーマス・エジソンの会社で働き始めたのが、自動車の製作に取り組むようになったきっかけです。自動車の製作に成功した後、エジソンの会社を去り、自分自身の会社を経営するようになったものの、何度も倒産を経験しています。

諦めずに自動車の開発と経営を続け、有名な自動車レースでフォードの自動車が優勝したことが転機となり、フォードの自動車が知名度を獲得し、売れ行きもよくなっていったのです。

フォードシステムの導入

フォードは優れた性能の自動車の開発に成功しただけでなく、一般大衆でも自動車が購入できるように生産ラインの革新を行っています。

ベルトコンベア式の生産方法を世界で初めて導入し、自動車の大量生産に成功。この方式はフォードシステムと呼ばれるようになり、当時の相場の1/4程度の低価格で自動車を提供できるようになったのです。

フォードの労働改革

フォードは、「賃金を支払っているのは雇い主ではなく、自動車を購入してくれる顧客だ。雇い主はお金を管理しているに過ぎない。」という信念を持っていたため、自動車の販売で得た売上を労働者に還元することを優先していたといいます。

労働者の労働時間が1日に12時間以上で、休日もほとんどなかった時代に、フォードは労働時間を1日に8時間とし、週休2日制を初めて導入し、賃金も当時1日当たり平均2ドル程度であった賃金を5ドルに引き上げたのです。

その結果、優秀なエンジニアがフォードのもとに集まり、その従業員もフォードの自動車を買うようになり、優秀なエンジニアの協力により、1932年にはV型8気筒エンジンを搭載した自動車を世に出すことに成功したのです。これは自動車の歴史の中で大きな快挙と言われています。

フォードの労働観が自動車社会を作り上げた

高品質・低価格・高賃金というフォードの経営理念は、高性能な自動車の大量生産を成功させ、自動車を大衆のものにしただけではなく、当時の過酷な労働環境を一新し、現在の水準の労働で世界的な大企業を作り上げることに成功しました。

「賃金を支払っているのは雇い主ではなく、自動車を購入してくれる顧客だ。雇い主はお金を管理しているに過ぎない。」というフォードの信念が、現在の自動車社会を作り上げたのです。その信念を貴方の医院経営に当てはめると、今までとはまた違った世界が見えてくるのではないでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部