医院の事業拡大に伴う「組織作り」に必要なこととは?
2016.02.17
医院事業を拡大するには、あなたの“覚悟”が必要です
大事なのは、医院経営のゴールを設定すること
開業し、夢であった自分の城を構え、開業当初の初々しさ、緊張感も薄れ、収入も医院経営も安定してきたと感じた時、新たな課題に直面します。
発展期から安定期に差しかかった院長の抱える課題として多いのが、
・事務作業が膨大になり、医業に集中できなくなってきた
・『なかなか予約が取れない』という声が聴こえるようになってきた
・自身や家族の負担が限界に近くなってきた
などです。
そんな時に重要なのが、 “ドクターのマインド”から“経営者のマインド”への転換です。そして、自分が真の経営者になるという“覚悟”を持ち、医院経営のゴールを設定することです。
ゴールを設定するには
医院経営のゴールと言っても様々あり、まずは、最終的に目指す病院の規模を決めていきます。
「どれくらいの患者さんを診ていきたいのか」ということで、今後増員すべき歯科医師、衛生士、歯科助手の人数も変わってきますし、ドクターを多く雇う構想であれば、診療は勤務医に任せ、自分自身は経営のみに専念するという選択肢も生まれてきますので、一度立ち止まり、このゴールを定めることは大きな意味を持ちます。
最近では、保育所や整体などが併設されている、歯科医院というよりデンタルサロンという方がふさわしい、独特な医院も増えています。もしそういった特徴を持たせたいなら、それを踏まえた人材開発と育成、そして有効的な設備投資計画も立てなければなりません。こうして、【最終的に目指す規模】に対して環境を整えていくのです。
大事なのは、【最終的に目指す規模】に向けて徐々に人材を育て、事業を育てるということ。そしてそのために、今この時点で何の役割のスタッフが何名必要なのかを把握するということです。
あなたには今、“誰”が必要なのかを決めること。それが、【次のステージへの第一歩】となるのです。
経営者として、自分のやるべきことを明確にしましょう
医院経営のゴールが明確となり、目指す事業規模も決まり、将来のビジョンに合わせていよいよスタッフの採用を本格的に進めることになった時、次に考えるべきことは何でしょうか?
まず行うべきことは、【自己の棚卸し】です。
簡単に言えば、目指す事業規模の中で自分ができる事と、自分にできない事を認識することです。
ここをより具体的に、そして明確に整理できれば自ずと答えは見つかります。単純に口腔ケアをする、受付をする、治療のための準備をする、経理をするという、作業ベースの棚卸しではなく、患者さんの緊張をほぐす、自分には言いにくい要望まで聞いてくれるといったように具体的に、【任せられる役割】を明確にしていくのです。
自分が出来ないこと、苦手なことを明確にする
時間は1日24時間で、誰にでも得手不得手があるのは当然のことです。院長としての責任感は必要ですが、自分が出来ないこと、苦手なことを得意な人に任せるということも経営者としては必要です。
医院の規模が大きくなれば、すべて自分でということは難しくなります。自分にしかできないこと、任せた方がうまくいくことの選別が重要なのです。
そして、任せたい役割がはっきりしてくれば、自ずと、
・自分は強面で患者さんを緊張させてしまうことがあるから、衛生士や歯科助手には患者さんを安心させられ、医院の雰囲気を明るくしてくれる人がいい
・自分は時間管理が苦手で、患者さんを待たせてしまったり、診療時間を大幅に延長してしまったりしているので、スケジュール管理を得意とする受付が欲しい
など欲しい人物像が明確になり、採用規準も決まってきます。
そしてそれは、目指す事業規模に向けて“確かな”最初の一歩となるはずです。