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ドイツで医師として働きたい!リタイア後にハーフステイしたい!という方へ

2019.06.24

長期滞在に理想的な国「ドイツ」~ドイツ暮らしは人生のスパイス~

めまぐるしいスピードでグローバル化する現代社会では、国際的な視野が必要不可欠です。自らが持つ知識や概念の枠を超え、異なる視点から物事を捉える能力を身に付ける近道として、日本を離れ海外で暮らすという選択肢が考えられます。異文化の中で出会う風景・人・文化・習慣は、国際的視野だけではなく〈新しい人生観〉を見つけるきっかけも得られることでしょう。

長期滞在に理想的な国「ドイツ」

海外長期滞在先として人気が高いのは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏と、暖かく物価の安いタイ、マレーシア、フィピンなどの東南アジアの国々です。
しかし、ドイツも長期滞在先として見逃せません。医療に従事していて、ヨーロッパの歴史・文化に興味を深い興味を感じる方には、医療先進国で、ヨーロッパ大陸中央に位置するドイツは、暮らしてみる価値が大いにある国なのです。

ドイツ留学の大先輩には、医師であり明治・大正期の文豪だった〈森鴎外〉がいます。鷗外は軍医としてドイツで医学知識を深める傍ら、観劇や仮面舞踏会にも出かけて行き、ドイツ暮らしを謳歌した1人です。自由な空気を味わった彼のドイツ暮らしは、後の文学作品に大きな影響を与えたと言われています。

ドイツが長期滞在先として理想的な理由

ドイツは以下の点から長期滞在先として理想的であると考えられます。

・生活しやすい環境が整っている

ドイツは治安、物価、インフラなどのレベルが日本とほぼ同じです。さらに「清潔好き」「時間に正確」「質実剛健」というドイツ人の国民性も、日本人には馴染みやすいはずです。また、自然を愛し環境保護の精神が根付いているドイツには、緑が多く自然の中で過ごす機会にも恵まれています。

・地理的条件

ドイツは地方色が非常に豊かで、どこへ出かけても飽きることがありません。北へ向かえば北海やバルト海、南へ向かえばアルプスの山々を臨めます。ライン川、ドナウ川、ロマンチック街道をはじめとして、見応えのある人気観光スポットも豊富です。
アウトバーン、鉄道、バス、飛行機などの交通網も整備されているため、ヨーロッパ各国へアクセスしやすいのも魅力です。

・文化的生活の充実

各都市に劇場があり、コンサート、演劇、オペラ、バレエなどを気軽に鑑賞できます。またスポーツ観戦がお好きな方は、サッカーやアイスホッケーのスタジアムで、地元ファンと一緒に熱くなるという体験も味わえます。
「カフェに座ってふと隣の席を見たら、昨夜舞台で歌っていたオペラ歌手がコーヒーを飲んでいた」
「ブンデスリーガーでプレイするサッカー選手が、スーパーのレジに並んでいた」
そんな日常生活を経験できるのがドイツです。

・医療先進国

日本の医師免許保持者は、条件さえクリアすればドイツで臨床医として働くことが可能です。医師として海外で新たな専門知識や技術を身に付けたい方には、高度な医療技術と優れた医療制度を持つドイツは理想的な国と言えるでしょう。
仕事に関係のない滞在でも、医療が整っているドイツでは、安心して暮らすことができます。

【医師としてドイツで働く】

ドイツ語テストとドイツ医師会が行う面接に合格すれば、ドイツ医師免許が取得できます。
ドイツの医療現場で働くことは、医師として、また人として成長できる機会となるでしょうが、ビザやドイツ医師免許の取得は簡単ではありません。「数種類もの証明書や書類の提出」「高いドイツ語力の習得」という課題をクリアするには、早めに準備に取り掛かることが必須となります。
実際にドイツで働くこととなれば、ドイツの労働環境が日本よりはるかに良いといわれているため、休日にはゆったりとしたプライベートタイムを過ごせるでしょう。ドイツ滞在中は、森鴎外のように有意義な時間を過ごしてください。

【リタイア後にドイツでハーフステイ】

ドイツでリタイア後にハーフステイしてみたい!そんなプランをお持ちの人には、ビザ不要の3ヶ月以下のドイツ滞在がお勧めです。
腰を落ち着けて3ヶ月以上の滞在を希望される場合には、語学留学という選択肢もあります。語学学校への留学なら、ビザ取得もそれほど難しくなく、ドイツ語力も問われません。さらに、ほとんどの語学学校では、寮やホームステイ先を紹介してもらうことができるため、住まい探しも苦労せずにすみそうです。

またドイツの各町には、市民大学《 Volkshochschule フォルクスホーホシューレ 》と呼ばれる、日本のカルチャーセンターのようなものがあります。市民大学では、語学・ヨガ・水泳・ダンス・陶芸・料理・写真・コンピューターなどのバラエティー豊かな講座を、良心的な受講料で受けられます。午前中はドイツ語学学校、午後はこのような趣味の講座を通して、現地の人と交流を深めるのも楽しいのではないでしょうか。

【ドイツ語を学ぶ】

・語学試験合格を目指すドイツ語学習

ドイツの医師免許取得には「ドイツ語B2からC1」という上級レベルのドイツ語力が要求されます。このB2~C1と言うのは、語学の熟達度を測るCEFRという国際的な基準で、A1(初心者)~C2(ネイティブレベル)の6つの等級があります。英語で例えると、B2はTOEIC800点若しくは英検準1級合格レベル相当と言われています。
移民や難民が多いドイツには、たくさんのドイツ語学校がありますが、授業や講師のレベルにはバラつきがあります。上級レベルのドイツ語試験合格を目指すなら、効率的にドイツ語を学べる学校を選ぶことが大切です。
ちなみに定評があるドイツ語学校は、ドイツ国外でのドイツ語普及を目的に設立された機関《 GOETHE- INSTITUT ゲーテインスティチュート》です。日本国内には東京、大阪、京都に、ドイツ国内にはベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンをはじめとした13都市にドイツ語学校を持ちます。個人差もありますが、ドイツ国内のインテンシブコースを受講すれば、短期間で上級レベルに達することも可能と言われています。

・ハーフステイを楽しむためのドイツ語学習

短期の滞在では、英語ができればあまり問題なく過ごせるでしょうが、ハーフステイとなれば、多少なりともドイツ語力を身につけたいものです。ドイツ語ができれば、きっと行動範囲や交友範囲が格段に広がるはずです。ただし、リタイア後のドイツ暮らしを楽しむはずが、ドイツ語学習でストレスを溜めることになれば本末転倒です。
楽しみながらドイツ語を学ぶには、ドイツ語学習とレクレーションプロブラムがセットになった、お楽しみ付きの語学コースを選ぶと良いでしょう。
上記で紹介したゲーテインスティチュートにも、50歳以上の熟年を対象とした2週間のドイツ語コースがあります。午前中はドイツ語の授業、午後はハイキング・市内観光・遠足などのプログラムが盛り込まれています。このようなコースを数回くり返し受講し、マイペースでドイツ語を学びながら、ドイツ滞在を楽しむ方法もあります。

ドイツ暮らしは人生のスパイス

技術・経済大国でありながら豊かな自然に恵まれ、週末は家族や友達と時間を大切にする国ドイツ。そんなドイツでの暮らしは、人生をより味わい深いものにする〈最上のスパイス〉になるはずです。

医師として海外で経験を積みたい、またはリタイア後にヨーロッパ文化の中で暮らしたいという方は、ドイツを選択肢の1つに入れられてみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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