資産家の方向けの高齢期についての考え方 -シニア向け分譲マンション-
2016.04.18
高齢期の住まいの種類と特徴(国内編)Vol.1
そこで、長年暮らした自宅から住み替えて暮らす場合どのような選択肢があるのか、まず知っておいていただければと思います。
今回は、シニア向け分譲マンションについてお伝えします。
高齢者向けの設備やサービスといっても、
実は物件によりさまざま
シニア向け分譲マンションの特徴は、高齢者に配慮した設備と日々を豊かに安心して暮らせるように工夫されたサービスになります。居室の専有面積は、14~120台㎡と幅広く、1LDK~2LDKが中心のバリアフリー設計になっています。共有施設としては、レストランや大浴場などが一般的で、カラオケルームやマージャンルーム、フィットネスジムなど特徴的な施設を有する物件も多く存在します。
また、サービスも物件によって違いがあります。フロントサービスや24時間常駐スタッフが対応する緊急コールボタンが、トイレや浴室などの室内にある物件や、健康・医療面では、医療機関と提携しているところだけでなく、医療機関を併設している物件もあります。
さらに、マンション内に、訪問看護や訪問介護事業所、居宅介護支援事業所があり、日中看護師常駐で健康相談などの医療サービスを行っているものや、24時間ヘルパーや看護師が常駐しているところもあります。入居する時点では、元気でも、将来の介護や健康への不安から、医療や介護に安心感がもてる物件が人気です。
入居条件や入居形態もさまざま
入居条件として、50歳、または、60歳以上という年齢の制限や、原則、身の回りことが自分でできるという条件のある物件もあり、介護保険の要介護認定を受けている人や医療行為が必要な場合の入居の可否は、その物件ごとに異なっています。
また、入居される方は、お一人の方以外に、ご夫婦や親子で暮らされる方もいらっしゃいます。シニア向け分譲マンションは、有料老人ホームよりもゆったりとした間取りや高級感のある内装や設備などがあるため、そこを気に入って入居する人もいらっしゃいます。お子様から親御様への、シニア向け分譲マンションをプレゼントされるケースもあります。自宅もいいけれども、何かあったときが心配だからと、親には一般的な老人ホームよりも高級感のある施設や、介護等にも対応してくれるところに住んでもらいたいというお子様方からも支持されているのです。
有料老人ホームとの違いは?
シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの大きな違いは、自分の財産になるかどうかです。有料老人ホームは、その施設を使うという利用権方式のところが多く、シニア向け分譲マンションのように所有権を持つことはできません。つまり、有料老人ホームに多額の入居金などの前払い金を払ったとしても、自分のものにはならず、売却や相続をすることはできないのです。
いかがでしたでしょうか。シニア向け分譲マンションは、有料老人ホームより自由度が高く、資産にもなるメリットがありますが、まだまだ数が少ないのが現実です。今後、新しい物件が出てきますが、立地条件や管理費などの毎月かかるコストのほか、将来、介護や医療行為が必要になったときの対応など、購入前にしっかり確認しておくことが重要になります。