「治療が早い」と言われる、効率アップの収納術
2016.06.08
在庫管理Vol.6 -治療がスピードアップする収納法-
患者さんを待たせず、回転よくスムーズに治療を進めるためには、どんな工夫ができるでしょうか? 今回は、スピーディな準備と片付けが実現する、収納術をご紹介いたします。
①数を減らす
文具や器具類など同じ物がいくつもある場合は、思い切って必要最低限に減らした方が、探しやすく取り出しやすくなります。たくさんあるけど、よく見ると中にはここ1年以上使っていない道具が紛れていることもあるので、見直してみるとよいでしょう。
②処置ごとにまとめる
同じような処置で使う道具は、なるべく近くに保管した方が取り出しやすいのは言うまでもありません。同じ引き出しか、なるべく近くの段で管理して、探しやすい場所に入れておきましょう。
もし余裕があるなら、ホワイトニングやクリーニングなど、保険外の処置専用のユニットを用意しておけば、道具の管理もまとめることができ、治療がスムーズになります。
③時代に合わせた収納法を考える
開院当初は消毒して使っていた治療器具も、現在は滅菌パックで保管しているというように、時代とともに治療器具の管理方法や保管場所は変わってきています。
また、インスツルメントを一本ずつ入れられる、かつては便利な引き出しの間仕切りが、滅菌パックの導入で邪魔になってしまうこともあります。
毎日の仕事に慣れてしまうと、見慣れた風景となって見過ごしがちですが、時には見直し、現在の治療や管理に合わない棚や設備は、思い切って整理しましょう。
④すぐに見つけて取り出せる収納
どのスタッフでも瞬時に必要なものを取り出せるような収納を心がけておくことが大切です。一目で何がどこにあるかわかるよう、配置しましょう。
例えば、キャビネットを開けなくても何が入っているかわかるよう、外側に小さな付箋メモやテプラシールで、品名やジャンルを書いておくと、探す手間が防げます。特に、確認しにくい高い棚や、手前のものに隠れて収納されているもの、たまにしか使わない材料や器具や道具の収納には、このメモが活躍します。
収納は隙間なくぎっしり詰め込むと、出し入れの度にもたつきますから、空間に適度なゆとりをとることも重要です。
何かを取り出す作業に費やす時間はとても小さなものですが、2秒と1分では、積み重なると大きな差になります。
処置の準備や片付けにかかる手間と時間をなくし、大切な治療の時間を確保することで、患者さんの満足度もあがり、質の高い治療を提供することができるのです。また予定通りに治療を行うことで、予約時間に来院した患者さんを待たせず、治療件数を増やすこともできるでしょう。