マネジメント

“患者さんを待たせず、スタッフのミスを防ぐ”品質向上の収納術

医院 在庫管理

2016.06.15

在庫管理Vol.7 -質の良い治療を実現する収納法-

治療の途中で必要な器具や材料が見当たらず、冷や汗をかいたり、患者さんを待たせてしまったりしたことは、大なり小なりどなたでも経験のあることではないでしょうか。

患者さんは、診療ユニットに座らされたまま放置されると心細くなったり、自分がぞんざいに扱われている気がしたりするものです。また、そのようなことがたびたびあると、1回の診療時間が長引いて予約の時間通りに進まず、患者さんの待ち時間が増え、回転も悪くなってしまいます。

では、「治療が早い」と言われる効率アップの収納術とはどのようなものでしょうか?

◆引き出しの小物
ほどよい区切りや100円ショップのお弁当用の容器などを使って、開いたとき一面に見渡せて、一目で確認できるようにします。

◆冷蔵庫内の材料
材料類は開封済みのものを前に、未開封のものを奥に入れます。1個ずつ使うものは最初に全てバラし、透明の容器に保管しておけば、治療の際にすばやく取り出すことができます。

◆バーやファイルなどの管理
種類や大きさが違って数も多いため、おそらく最も頭を悩ませ、手間取ることが多いのではないでしょうか。新人スタッフは特に探すのに時間がかかることが多いようです。

ユニットに置くバースタンドに揃えるものは、品番と入れる位置を決めてしまいましょう。セットした見本の写真を拡大して品番を書き込んで、消毒スペースなどに貼っておきます。それを見れば、新人スタッフが人に聞かなくてもセットできますし、欠品にもすぐ気づくことができます。

ファイル類は、リーマー、Kファイル、Hファイルに分け、08~120と番号の昇順に並べるなど、ルールを決めておきましょう。そして残り2本になったら発注するというルールを徹底すれば、欠品になって慌てることもありません。またケースがなくなると欠品や品番がわからなくなるので、勝手に捨てないようにしましょう。

収納や管理方法を見直すことで、処置の前後にかかる時間が短縮され、治療の効率がアップします。スタッフのミスも無くなりますし、予定通りに治療を行うことで治療件数を増やし、ドクターやスタッフもきちんと休憩時間をとることができますよね。そんなメリハリのある業務から、さらに質の良い治療が実現する好循環となるのです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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