マネジメント

短時間で意義のある会議にするために必要なこと

2016.01.03

医院スタッフとの無駄な会議をなくすためには?

みなさんは普段、医院スタッフとどのような会議をしていますか? 何か心がけていることはありますか?
大切な時間を無駄にしないために、上手に会議を進める方法をご紹介します!

重要なのは医院での「会議のあり方」を改めること

連載:上手な会議の進め方 Vol.1

・無駄な会議等が多い…45%
・会議等の時間が長い…44.1%
・会議等の頻度が多い…36.7%

これは、2012年10月に実施された、NTTデータ経営研究所による『会議等について感じている問題・課題に関するアンケート調査』の結果において、問題であるとされた項目の上位3つです。

つまり、10人のうち4人は会議に対して “無駄”“長い”“多い” と感じていることになります。あげく、4割以上の企業において内職(会議とは関係ない資料の作成やメールチェックなど)が行われているという始末。

これでは、せっかく会議を行ってもその意義は半減してしまい、得られる効果は薄く、出された結論が持つ説得力も充分とはいえないでしょう。ですから、ただやみくもに定例会議を設定したり、とにかく全員集めて行うという会議では、何も解決しないどころか、新たな問題を生み出すことにもなりかねません。

まず、会議のスケジュールや準備、進め方云々の前に、会議のあり方を改める必要がありそうです。

しかし、深く考えすぎると難題に感じて、“会議のあり方” を決める “会議” が必要なのでは? という、ややこしいことにもなってしまうのですが、そんなに難しく考える必要はありません。

医院での会議について、3つのポイントから考える

シンプルに考えると、ここで問題となっているのは、

①無駄が多い
②時間が長い
③頻度が多い

の3つです。

では1つずつ整理していきましょう。
まず①の、“無駄が多い” ですが、これは、不要な時は参加したくない、つまり必要な時だけ参加すればいいということです。

会議といえば関係者は全員参加という風潮がありますが、これが “無駄” なのです。参加者は、会議の目的においての実務に関わる最低限の人数で充分です。あとの関係者には、会議の結論をメールなどで情報共有することで足ります。

次に②の “時間が長い” ですが、人間の集中力は15分周期といわれており、集中力の限界は医学的見地から40分といわれています。確かにテレビでも15分を目途にCMがはさまれたり、子供が遊んでいても、15分程度で飽きがきてしまうのがハッキリ見てとれます。

ですから、会議のテーマは1つに決めた上で15分、長くても30分以内と決めて行うといいでしょう。これは実践してみるとわかりますが、複数の議題についてダラダラ2時間かけて行うよりも、結論に至るまでの時間が圧倒的に早くなります。

そして最後に③の “頻度が多い” ですが、これは “必要最低限の回数に” ということです。頻度が多いと感じさせるのは、目的のない定例会議や情報共有のための会議です。そもそも会議とは、【関係者が集まって意思決定を行うこと】です。

15分程度であればスケジュールを調整しなくても何とか時間を作れるはずですから、必要であればいつでもできるといえます。議題も明確であれば大げさな準備も不要です。

必要な時に行うということを徹底すれば、仮に回数が多くなったとしても頻度が多いという不満にはなりませんよね。

まとめますと、会議とは、

①参加者は最低限の実務者だけが集まり
②15分、長くても30分以内で
③必要な時だけ行う

ということになります。

全員が「共通のイメージ」を持てる会議に

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世の中は残念な会議であふれています。会議に必要なものはまず “目的” 、そして “ゴール” です。

何をどうしたいのかが目的であり、そのために何をすればいいのかを決めるのがゴールとなるのですが、そのほとんどを口頭のみで議論することが多く、結果として相手の意見に対して、「たぶん、こういうことを言いたいんだろう」という、それぞれの勝手なイメージや推測だけで会議が進んでしまうことになります。

言葉で聞いただけでは、勝手なイメージしかできないですよね。そこで重要となるのが、【見える】ことです。見えることにより、勝手なイメージや推測ではなく考え方の基準が揃うのです。これが、見えることの強みです。ぜひ、【見える会議】にしましょう。

おすすめはホワイトボードの導入です。まずは会議の前にホワイトボードに “目的” “ゴール” を書くことです。これでおかしな方向に脱線せずに済みます。口頭での意見も文にして見ると、捉え方の幅も少なくなります。

ちなみに、ホワイトボードを使えば議事録も不要です。スマホで撮ってメールで共有すれば足ります。議事録を作る人は実際には会議に参加できません。それはやはり、無駄なコストです。ホワイトボードを使った “見える化” は会議だけではなく、患者さんに対する説明や打合せにも効果バツグンです。ぜひ、試してみてください。

医院での会議の「コストを下げる」ためのツール

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医院スタッフの時間を使っているということは、会議にはコストがかかっているということになります。そのコストを計算するには、医院スタッフそれぞれの収入を時給に換算して1分あたりの人件費コストをはじくのですが、今は “ミーティングタイマー” という便利なソフトもあります。ちなみに、参考として、国税庁の調査によるサラリーマンの平均年収(平成24年度)は408万円です。年間休日を100日と仮定すると、1分あたりのコストは32円となります。

すると、5人で2時間の会議を行うと19,200円のコストがかかる計算になります。そう考えると、経営者としては1分でも会議を短くしたいと思いますよね。

そこでおすすめなのが【チャットワーク】というツールです。簡単に言うとビジネス版のLINEといったところでしょうか。

会議というものは、必ずしも顔を突き合わせて行う必要はありません。たとえば事前にテーマだけを各医院スタッフに伝えて、スキマ時間を使って意見を出していき、最終的に集まってまとめるというのも効率が上がり、コストも下げられます。

しかし、メールでこれを行うとなると面倒です。「おつかれさまです。○○です。先日頂きましたテーマについてですが…」といったように、そのつど長々とした文章を打つことになります。しかも、それぞれの意見を共有するにはCCやBCCで行うのですが、すべてのメールを一度に見るのは難しく面倒です。

その点、このチャットワークならいちいち面倒な挨拶文も省略、各スタッフの意見を一度に確認することができます。テーマごとにコミュニティを分けてしまえば、必要な人数だけでの意見交換や情報共有もできますので、とても効率的です。

このツールは会議だけでなく、患者さんがいつでも先生に相談できるコミュニティや、スタッフも交えたレクリエーション・コミュニティにも活用でき、今までよりも一歩踏み込んだ信頼関係を作ることもできます。使う人次第で想像以上の可能性を広げることのできるツールです。

そして間違いなく、他の医院との差別化にもなります。生活習慣に関するアドバイスや情報を提供して、更なる集客にもつながるでしょう。医院の新しい “カタチ” が見えてきそうですね。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
458件の開業医を成功に導いた成功事例集