ファイナンス

経営者としてのエンディングノートの使い方

エンディングノート

2016.03.07

意外と知らない“エンディングノート”の使い方Vol.1

「エンディングノート」というと、その名前から死期が近い人が書くもの、というイメージをお持ちの方が多いと思います。しかし、実際のエンディングノートは、事業の引継ぎ用ノートとしても使えるもの。今回は、経営者のエンディングノートの使い方についてお伝えします。

例えば、経営者である歯科医が亡くなった場合には、家族が事業を継続するかしないかにかかわらず、金融機関を含めた取引先のことなど、経営者だからこそ伝えておかなければならないことがあります。特に個人医院の場合は、経営者ひとりで何もかも対応しているため、従業員や家族にはよくわからないということがあるのです。そのようなときに、事業に関することをまとめたノートがあれば、引継ぎを含めて、残された家族などが対応することができるので、とてもありがたいものになります。

歯科医院を経営していく上で必要なもの、関わりのあることは多岐にわたります。

医療機器や医薬品の会社、歯科材料である金属・技巧材料や補綴物製造会社、マスクなどの消耗品関係、融資を受けている金融機関や家賃引き落としなどで使っている金融機関。経営者として入った生命保険や歯科医師賠償責任保険などの保険関係、業務提携をしている税理士や弁護士などの専門家。ホームページを開設している医院であれば、その管理をまかせている会社。賃貸の場合は不動産会社や敷金・保証金の明細。さらに、歯科医師会や開業届けを出した保健所、保険医療機関としての申請した所轄厚生局の連絡先など。これらのことを、エンディングノートを使って整理して記録しておくことで、万が一のときの助けになります。

開業当初は取引先や関わりのある人たちはそう多くはなかったかもしれません。しかし、経営を続ける中で、次第にネットワークや取引先などが増えていくのは自然なことです。エンディングノートを使って連絡先などのリストを作ることで、現状を整理し把握することができます。さらに、もしものときの安心材料が増えていきますので、この機会にエンディングノートを使ってみては如何でしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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