ファイナンス

遺言を書くための事前準備として

エンディングノート

2016.04.04

意外と知らない“エンディングノート”の使い方Vol.5

いざ遺言を書こうと思っても、どこから手をつけたらよいか分からないのではないでしょうか? 今回は、遺言を書くための事前準備としてエンディングノートを活用する方法をご紹介します。

⇒開業医が遺言書を作成しておくべき6つのパターンはこちらから

まず遺言を書く際には、誰に何をどのように分けるのかを考える必要があります。

「誰に」を考えるときには、家計図を作ると役に立ちます。家計図は、自分を中心として、まず、配偶者や子供。次に、自分の両親や祖父母。そして、自分の兄弟姉妹やその子供などという順番で書いていきます。家族や親戚の人数は年月がたつにつれて変わっていきますので、その都度書き替えていくとよいでしょう。

「何を」というのは、自分名義の不動産や預貯金、株、車などの財産になります。自分の財産は何があるのか、形見分けをしたいものも含めて、リストを作っておきましょう。個人名義のものだけでなく、医院名義のものもあれば、分けて書いておくと分かりやすいです。

「どのように」というのは、「自宅は、子供に」「△△銀行の預貯金は配偶者に」のように遺産をあるがままの形で分ける、若しくは遺産の一部又は全部を売却し、そのお金を相続人で分けるという遺産分割の方法を指定するということです。

そして、ローンなどの借金があれば、それも書いておきましょう。生前に返していない借金は、相続の財産に含まれ、相続人に引き継がれます。また、歯科医院の経営のために融資を受けているときは、融資をしてもらった金融機関名や支店名を、自分の財産を融資の担保にしている際にはそのことについても、書いておく必要があります。

さらに、連帯保証人になっているときは、家族のために書いておきましょう。お金を借りた友人や知人が、きちんと借金全額を返してくれればいいですが、返済していない場合は、連帯保証人の配偶者や子供、孫にまで取り立てが来てしまいます。

いかがでしたでしょうか。まだまだ元気だから遺言なんて必要ないという人でも、財産のリストを作っておくことで、資産状況を把握することが出来ます。経営の資産だけに目が向きがちですが、個人の資産の状況把握にもエンディングノートは役に立ちます。ぜひ作ってみてください。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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