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輸出型企業の景気回復で給料上昇?そうなれば景気も回復する!?

2015.04.20

連載:円安のメリットVol.1

安倍晋三政権が誕生して以降、円安傾向が続いています。輸入品の値上がりなど、円安はデメリットが多いという声もありますが、多くのメリットもあるのです。今週から2回に渡り、円安のメリットとは何か、それを享受するためには、どうしたらいいかを検証していきます。

日本企業にとって円安は、必ずしも悪いことではありません。むしろ海外へ商品を輸出している企業にとっては大きなプラスですね。
たとえば1万円の商品を輸出する場合、1ドル=90円であれば、海外の購入者は約111ドルの支払いが必要ですが、1ドル=100円になれば、100ドルで済みます。円安によって、日本の製品が買いやすくなっているわけです。

事実、輸出型企業は2015年3月期の決算で大幅な増益になるところが多いようです。とくに、鉄鋼、電機、自動車業界などが好調です。
安倍首相は、円安でメリットを受けている企業に対して、給料のアップや設備投資を求めています。どこまで効果があるかはわかりませんが、この4月のベースアップで給料が増える会社が続出すれば、そのお金が消費に回り、景気を底上げすることも期待できます。

円安で企業業績が上向いた企業を中心に、株式の配当も増やす予定です。2015年3月期の株式の配当は、2年連続で最高を更新する見込み。増配または復配する企業は全体の3割に達するといいますから、株式投資をしている人にとっては、直接的な利益になります。
株価上昇も期待できます。日本の株価は外国人投資家の動向に左右されますが、輸出型企業の業績が急回復していることから、外国人投資家も日本株に回帰しています。それに合わせて日経平均株価も上昇しているのです。

日経平均株価の上昇は、景気を刺激する効果もあります。株式を保有している層は、含み益が増加したことで消費を増やすし、株式を保有していない層も株価上昇が景気回復のイメージを与え、財布のひもを緩める傾向があるからです。
今回は輸出型企業の業績が伸びることによる円安のメリットを考えましたが、次回は内需型企業のメリットについて紹介します。

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【連載:円安のメリットVol.1】輸出型企業の景気回復で給料上昇?そうなれば景気も回復する!?

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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