女性スタッフは上司(院長を)どう見ているか
2017.10.25
女性特有のスキルとコミュニケーションVOL.1
これは、多くの男性管理職・経営者が抱える問題です。
・叱ると嫌われるのではないか
・仕事以外のことで何を話したらいいのか
・そもそも、何を考えているのか分からない
程度の差はあるにせよ、これらは誰もが抱える悩みではないでしょうか。
日本総合研究所が実施した男性管理職へのアンケートでは、「会社のコアメンバーに女性を登用することに賛成」と答えた方が全体の85.1%と、大半を占めることが分かりました。
しかし一方で、課長相当以上の管理職に占める女性の割合は、わずか12.1%に過ぎないというデータもあります。(2016年:厚生労働省調べ)
女性の積極的な登用が必要だと頭では理解していながら、実際にはそうした環境が整えられていない企業が多いのです。こうしたギャップも、女性スタッフに対する苦手意識が大きく影響していると考えられます。ですが、苦手だからといってこの問題に背を向けることはできません。特に接客サービスを必要とする店舗ビジネスにおいては、女性スタッフの力が欠かせないからです。
では、どうすれば女性スタッフに対する苦手意識を取り払い、女性が活躍する環境を整えることができるのでしょうか。
1つには、『見られている』を意識することが挙げられます。
経営者としての立場から考えると、私たちはどうしても、女性スタッフを動かすには何をすればいいか、何を言えばコミュニケーションに応じてくれるかという発想になります。言い方を換えれば、女性スタッフをコントロールするためには何をするべきか、という思考になりがちです。
しかし女性スタッフに対する行動以上に大切なのは、『見られている』を意識することです。なぜなら彼女たちは、思っている以上に私たちのことを観察しているからです。身なりや言葉づかい、他のスタッフや患者さんへの対応に至るまで、その一挙手一投足を細かく見ています。
一般的に、男性は縦のつながり・組織を重視します。ですから、上司と部下の関係性には職位や立場が大きく影響します。しかし女性が大切にするのは、横のつながりです。相手の立場がどうであれ、パートナーシップが築けるかどうかが行動の判断基準になります。重要なのは『人』そのものです。したがって、どれだけ権威ある経営者の言葉でも、「あなたに言われたくない」と思えば、耳を傾けることはしません。
これは実際にあった話ですが、会社でも1、2を争うようなトップセールスマンからの指示であっても、いつもスーツの肩にフケが落ちているような相手であれば、「あんな不潔な人に指図されたくない」と一蹴されてしまうのです。
「営業成績とフケは関係ないだろう」なんて声も聞こえてきそうですが、良い悪いではなく、それが女性の見方だということを認識しなければなりません。
どれだけ仕事ができても、身だしなみや言葉づかいがだらしなければ、女性スタッフの支持を得ることはできません。お客さんには媚びへつらいながら社内では大きな顔をする、その場その場で言うことがころころ変わるなどということはもっての外です。
ただ誤解しないで頂きたいのですが、これは、女性の目を気にしながら仕事をしましょう、という話ではありません。男性と女性では、そもそも、ものの見方や考え方が違うため、女性スタッフの力を最大限に引き出すためには、女性の視点を理解し、院長の一挙手一投足が見られていることを意識する必要がある、ということです。患者さんの半数も女性であることを考えても、女性の視点を意識することは、医院の経営に欠かせない要素と言えるでしょう。
どう接するかの前に、彼女たちが何を見て、何を求めているのかを知ることが、苦手意識の克服とサービス力の向上につながるのです。
あなたは自分がどう見られているか、意識したことはありますか?