マネジメント

新卒スタッフの教育における注意点

新卒スタッフの採用

2017.04.05

新卒スタッフを採用するメリットとは?

4月になり、新卒のスタッフを採用されたという院長先生方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

医療の仕事では、経験豊かな人物を中途採用することが多いかと思いますが、専門学校や大学を卒業したばかりのスタッフを新卒で採用するということも、もちろんありますよね。

1から教え、育てていくには、経験豊かな方を採用し育てるより、労力も時間もかかるものですが、今回は新卒スタッフならではの良い面と、その教育における注意点を見ていきましょう。

医療職の人はいくつもの職場を経験し、その中で技術を磨いていくことも多いのですが、人によっては悪いクセや変わった仕事のやり方を身につけてしまうこともあります。そういったものは、医師の理想の医療を行うためには、かえって邪魔なものです。

その点、新卒スタッフには原則社会経験がないため、そのような仕事をする上での癖はありません。また、その多くが新たな人生のスタートに向け、まじめに取り組もうとしている人たちだと思います。1から仕事を教えていく過程で、院長先生の考える理想の仕事のやり方や医院の理念などを覚え、理解してもらい、将来的に理想的な人物へ成長してくれる可能性を秘めているといえます。

そういった理想の医療を担うための人材は、やがては病院の仕事の中で中核的な人材に育っていきます。技術を持った人を中途で採用することは簡単ですが、医師の理想を現実に反映させ、職場をまとめていく人材は、長い年月をかけないと育成できません

新卒スタッフに対して、仕事を教える際には注意点もあります。単に「やること」だけを伝えるのではなく、その「理由」と、背景になる「仕組み」が分かるよう説明することが大切です。ここで一番やってはいけないことは、物事のみの指示を出し、意味付けもせず、できなかったらむやみやたらに怒ることです。これでは何の理解も出来ず離職してしまうという最悪の結果を招きかねません。

そして、その仕事が医院全体の仕事の中でどのような役割を果たし、どんな意味を持っているのかわからず新卒スタッフが戸惑ったり、単なる作業をこなすだけの存在意義しか見出せないということがないよう、一挙手一投足にどんな意味があるかを教え、深く納得してもらうよう努めましょう

言われて学ぶだけではなく、医師の行動を見て新卒スタッフが学ぶことも多くあります。医師の技術的な優劣だけではなく、管理者としての才覚、そして人間的に尊敬できるかどうかということも新人スタッフは見ています。新卒スタッフに指示をするリーダーである医師が、人間的に優れていなかったら、その指示に説得力はなくなってしまうのです。

新卒のスタッフを育てていくことは、社会貢献でもあります。一生懸命育てても、将来は家庭の事情などで転職するかもしれません。しかし、他の場所で医療職として立派に活躍できるだけの技術と人間性を身につけさせるということは、大変意味のあることなのです。

新卒スタッフは、やがて現場の中核となります。期待を注いでいきましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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