患者さんが信頼できる、よいカウンセリングとは?
2017.02.22
患者さんの満足度を高める、カウンセリングの便利ツール ~より良い治療につながるカウンセリング~
そんな不要なトラブルを避けるためには、治療前のカウンセリングで、患者さんのライフスタイルや重視する考えなどをしっかりと汲み取っておくことが大切です。
そのためには分かりやすい説明が必要なのですが、口の中の治療は、どんなにやさしい言葉を選んでも専門家以外にはイメージが沸きにくく、治療後、患者さん口腔内の状況が「想像していたものと違った」と言われてしまった経験をお持ちの先生もいらっしゃるかと思います。今回は、カウンセリング中に使用することで、患者さんが期待するイメージとのギャップを最小限にするためのツールをご紹介します。
以下のツールを使いわけることで、患者さんに誤解なく説明ができると同時に、説明の時間を短縮でき、患者さんの理解をより深めることができるのです。それは、患者さんの満足度を高めることにもつながります。
■ 写真・イラスト入りの説明シート
治療の流れについて、写真やイラストを使った説明書を用意しておきます。例えば「①削る→②型取り→③仮歯→④被せものの取り付け」など、治療の工程がイラストで描かれているものです。
治療の今後の流れが、一目で理解できるので、何度も同じようなことを質問されずに済みます。
厚紙にパウチした説明シートを用意しているクリニックもありますが、コピー用紙に印刷して手渡しした方が、患者さんが持ち帰って家族にも説明ができるなど、メリットが増えるようです。
詰め物についても、サンプルを見せて選んでもらうだけでなく、保険の合金から、ゴールド、セラミックと写真と価格の目安が掲載された一覧表をお渡しすれば、次の来院までに患者さんがどの治療法を選ぶか、熟考することができます。
■ ユニットの大画面モニター
多くの歯科医院で導入されている大画面モニター。リラックスのイメージ映像を流したり、デジタルレントゲンの画像を映して説明したりしますよね。このモニターをもっと活用しない手はありません。
カウンセリングでは、デジカメで患者さんの歯を撮影して、すぐモニターに表示させましょう。映し出された患部を指さして説明すれば、デンタルミラーで見せるよりもブレがなく見やすく、すぐに理解できます。
さらに、この大画面モニターにアクリルのカバーをつけておくと、ホワイトボードマーカーで写真の上に実際に線を描いたり消したりできます。「この範囲を削ります」など説明することができて、込み入った説明でも瞬時に理解してもらうことが可能になります。
■ タブレットの利用
近年、タブレットをカウンセリングに導入している歯科医院も増えています。こちらも大画面モニター同様、患者さんの患部の治療前後の写真を一緒に確認できます。
画面に直接タッチすることで、簡単に操作でき、患者さんのすぐ目の前で指さしながら見られることがメリットです。
■ ホワイトボード
写真の画面に書き込むほどではないけど患部の説明に役立つのが、小さなホワイトボードです。立体的な患部の説明も、さっと図を描けば、たくさんの言葉を使わずとも伝わります。またホワイトボードがあれば、耳が不自由な方との筆談にも利用できますので、受付やユニットに置いておきたいものです。
■「患者さん自身が目で見える治療」はお互いがハッピーに
「口の中で何をされているのか全然わからない」「何も言ってないのに、いきなり削られた」という治療は、患者さんの不安や不信感につながります。せっかくよい治療を提供するのですから、「医師から見てベストな治療法」=「患者さんが満足できる治療法」でありたいものです。視覚的に理解を深めることのできるこれらのツールを活用し、より患者さんにとって「不安を感じることのない治療」「分かりやすい治療」「満足度の高い治療」を目指されてみてはいかがでしょうか。