あなたは採用活動で、こんな間違いをしていませんか?
2016.10.26
間違いだらけの採用活動Vol.1
なぜ、余剰人員を抱えると人材不足に陥るか、知っていますか?
なぜ、複数の応募方法を与えると優秀な人材の割合が少なくなるか、知っていますか?
これらは、採用活動を行う際に犯してしまいがちな間違いの典型例です。とはいえ、どれも大した問題ではありません。人間性を重視して採用する、という間違いに比べれば。
一緒に働くにあたって、人間性は非常に重要なポイントですが、それを最優先に考えることは大きな問題です。人間性を重視すればするほど採用基準を見失い、結果的に失敗する確率が高くなるためです。
人間性などどうでもいい、と言いたいのではありません。ですが、そもそも採用の目的とは医院の利益に貢献してもらうことです。つまり、もっとも重要視すべきは過去のキャリアで育まれた『実務スキル』のはずです。新卒採用なら、学生時代に積み上げたキャリアや仕事に対する考え方ということになるでしょう。
「いい人なんだけどねぇ・・・」
採用した後にこんな言葉が出てくるようでは、その採用は失敗だったと言わざるを得ません。採用したものの、残念ながら貢献度が上がる見込みはない。かといって、『いい人』なだけに解雇もできない。そんな悩みを抱える医院も少なくありません。
ではなぜ、こうした採用のミスマッチが発生してしまうのでしょうか。原因はたった1つ。
採用基準が明確でないこと。
どの程度の実務スキルが必要なのか。たとえば歯科衛生士は、技術レベルも大事な判断基準になるはずです。いかに人間性が良くても、求めている技術に及ばなければ採用を見送ることもあるでしょう。受付スタッフも同じことです。どれだけの経験があって、どんなスキルを持っているか。人間性というのは、いわばスキルの1つに過ぎません。
もちろん、育てる覚悟と時間があれば話は別です。ただ、採用で失敗しないためには、最低限どのような仕事や役割を求めているのか、例えば〇ヶ月後には□□の仕事を任せられるだけのスキルを身につけて欲しいなど、事前に共有しておくように心がけましょう。
では、どうすればいいか? 求めている実務スキルを、明文化しておくのです。具体的であればあるほど効果的です。そしてそれを応募者に伝えることで、多くのミスマッチを防ぐことができます。
中には、給与水準を相場よりも高く設定し、その理由を文章化してスタッフや応募者と共有しているところもあります。現在この医院には優秀な人材が集まり、採用活動そのものが不要となっています。
採用基準にこだわれば、時間もコストもかかります。ですがパフォーマンスの低いスタッフが引き起こす問題は、院長や他のスタッフの時間と労力を奪います。結果として生産性は下がり、それは利益の喪失を意味します。長期的にみれば、やはり明確な採用基準をクリアした人材を選ぶことが医院の利益になり、発展につながるのです。