彼らがベストを尽くせるよう医院全体でサポートを
2016.10.12
職種別の悩みVol3 -歯科技工士-
●過酷な労働環境
同じ姿勢で技工物の細かい製作作業を行い、背中や腰を痛めるなど、肉体労働の印象が強い歯科技工士。院内ラボの勤務の場合、歯科助手の仕事まで割り振られることも少なくありません。
技工物のパターンやクオリティや納期などによって、仕事がすんなりいく時と過酷な残業になってしまう時とあり、ブラックで割に合わない仕事と言われることもあるようです。
●再製作のストレス
歯科技工士は、たいてい患者さんの患部を見ることなく技工物をつくり、多くの人の手を経て製作物が患者さんの口内に収まるわけです。しかし、その過程で誤差が生じて再製作になることがあり、これが歯科技工士にとって最大のストレスといえるでしょう。
治療のやり方や印象の外し方、石膏の練り方、注ぎ方、石膏の保管条件など、実際には歯科技工士が全く関わらない工程が多くあります。また、できあがった技工物を入れる際の調整の加減で再製作になるケースもあります。にもかかわらず、責任の所在がはっきりせず、歯科技工士にストレスがかかってしまうのです。
技工物の適合をスムーズに行い再製作をなくすためには、印象や石膏の練り方などのやり方は、きちんとマニュアル化し、全員が均一に同じ技術とやり方で出来るまで練習を徹底するようにしましょう。
●感染症のリスク
院内ラボの場合は印象や模型の状態で引き渡すことが多いのですが、きちんと感染症予防を行っているか、どんな処置を済ませているか、その都度、歯科技工士に伝える必要があります。洗ってスプレーで消毒して「消毒済み」などの札を付けて、個別のビニールバッグで密封するなど、配慮が必要です。
●歯科技工士の腕=治療の腕にも
歯科スタッフたちの協力のもと、歯科技工士がよい仕事をできれば、それは、医師にとっても腕の良い治療につながりますよね。彼らがベストを尽くせるよう院内の体制を整えることはとても意味のあることなのです。