スタッフの健康を守るために必要なこと
2016.08.24
感染症・被ばくからみんなを守る、クリーンな院内づくり
●感染症予防
・グローブの着用
手先の感覚が鈍るからとグローブを嫌う医師もいます。ご本人がその状態で診察をするだけでなく、歯科衛生士にもグローブをはずすよう指示するケースもあるようですが、これは非常に危険な行為です。グローブなしで使用済みの器具に触れさせるようなことがないよう徹底しましょう。
また、ラテックスアレルギーで、長時間グローブを着用したままだと、肌が荒れてしまう人もいます。その場合は、アレルギーにならない素材のグローブを探したり、同じグローブを長時間つけっぱなしにしないように、一定の間隔での交換や手洗いを徹底したりする必要があります。
・血液や唾液
たとえグローブをしていても、スタッフは血液に触れさせないように徹底しましょう。グローブが破れたり、器具が刺さったりと、何があるかわかりません。
・器具の清掃
グローブの上から清掃用の厚手のグローブを二重にはめて、清掃作業をします。また、助手には、ファイルなどの器具は、治療が始まったら、一切触れさせないようにしましょう。
・印象の消毒
印象をとった後は、グローブの上からビニールを介してトレーを持ち、しぶきが飛ばないよう流水を優しくあてて洗い、消毒液をかけて保管し、なるべく早く石膏を注ぐようにします。
・手洗い場
ディスポーザブルのペーパータオルを常備しましょう。たとえ清潔であっても布タオルの共用は避けたいものです。水栓も、可能なら、センサー付き、または足ふみペダル式のものにし、手洗いの前後に手で同じ水栓をひねるようなことがないよう、配慮したいものです。
・オペ室の管理
機器のハンドルやスイッチなどには、ディスポーザブルカバーをつけ、術ごとに全て取り換えるようにします。
●エックス線対策
特に、将来妊娠を希望する女性スタッフたちは、被ばくに不安を感じて、職を変えようか悩む人もいるようです。
・被ばくの少ないデジタルレントゲンの導入
多くのクリニックでは、フィルム処理が不要で、照射が短時間で、被ばくが少ない、デジタルレントゲンの導入が進んでいるため、被ばくのリスクは減ってきています。
デジタルレントゲンなら、撮影済みの画像をパソコンで管理することができて、スタッフの業務も効率化され、患者さんも大きなモニターで確認できるなどメリットが多いのです。
・フィルムバッチの着用
安全なレントゲンも、故障などで万一の場合があるため、エックス線量の測定ができるフィルムバッチを、着用しておくとよいでしょう。
わずかだからと、スタッフに素手でレントゲンフィルムを持たせたりすることがないよう、徹底しましょう。
●化学物質の取り扱い
レントゲンの現像液の薬剤交換、樹脂に反応するレジンアレルギーなど、治療の現場では、化学薬品との接触も多く、適切な取り扱いをするよう、スタッフに指導が必要です。数回なら問題なくても、接触を繰り返すうちに重大な症状が出ることもあり、一度アレルギーが起こると完治することが難しいため、仕事を続けられなくなる恐れもあるためです。
●安心して、誇りをもって働ける職場に
医療の現場は、「3K=きつい、汚い、危険」と言われるように、リスクと隣り合わせの職場でもあります。スタッフが安心して、誇りをもって働けるよう、クリニック内でルールを徹底し、そのための手間や経費を惜しまないようにしましょう。